さらに、2018年7月18日に発売した「Fling Posse VS 麻天狼」が、オリコンのデジタルアルバムランキングで1位、CDアルバムランキング3位を獲得。そして、先日発売したばかりの最新アルバム『Bad Ass Temple Funky Sounds』が、初週売上9.9万枚で、12月9日付オリコン週間アルバムランキングで初登場1位を獲得。シリーズ2作目の快挙を成し遂げた。
これだけでわかるように、アニメソング界だけでなく、音楽業界が今、最も注目すべき作品なのだ。
また、2020年にはTVアニメ化も決定している本作。今回は、そんな『ヒプノシスマイク』のことを「気になっているけど、いまさら聞けない!」「よく目・耳にするけど、どんな作品なのか知りたい!」「アニメ放送までに予習したい!」という方のために、“ここを押さえておけばバッチリ!”という点をまとめてみた。
そもそも『ヒプノシスマイク』とは?
J-POPだけでなく、アニソンや演歌などのジャンルでも数々のヒット作を生み出すキングレコードが原作を手掛けている、声優史上初のラップ音楽CD企画。男性声優18人がキャラクターに扮してラップを歌う“ラップバトルプロジェクト”と銘打っており、通称『ヒプマイ』と呼ばれている。
本作の舞台は、武力抗争が根絶され、男性に変わり女性が覇権を握るようになったH歴。男性たちは中王区(ちゅうおうく)外の「イケブクロ・ディビジョン」「ヨコハマ・ディビジョン」「シブヤ・ディビジョン」「シンジュク・ディビジョン」などの区画で暮らしていた。
しかし、そこでも抗争が絶えなかったため、中王区は人の精神に干渉する特殊な“ヒプノシスマイク”を使い、ラップバトルで優劣を決するという「H法案」を制定。各ディビジョン代表のMCグループがバトルをし、勝った地区は決められた分の他の領土を獲得することができる、というストーリー。
これまで、各ディビジョンのCDが1枚ずつ(※シンジュクのみ2枚)。また、前述したアルバム含む、各ディビジョンがラップバトルを繰り広げる「VS」CDが3枚。そのほか、イケブクロ、ヨコハマ、シブヤ、シンジュクのディビジョンリーダーがかつて組んでいたチーム「The Dirty Dawg」のCD1枚。さらにフルアルバム1枚がリリース。CDにはラップだけえなく、ドラマトラックも収録されている。
豪華声優18人が演じる、個性豊かなイケメンキャラクターたち
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『ヒプマイ』人気の理由の1つとして、「声優が披露するラップの完成度の高さ」が大きな要因になっていると言える。出演しているのは、木村昴、石谷春貴、天崎滉平、浅沼晋太郎、神尾晋一郎、駒田航、速水奨、木島隆一、伊東健人、白井悠介、斉藤壮馬、野津山幸宏という豪華声優12名。
さらに、今年9月に発表された新規チームのメンバーを演じるキャストとして、岩崎諒太、河西健吾、黒田崇矢、葉山翔、榊原優希、竹内栄治が加わり、総勢18名となった。
注目してほしいのは、やはりその歌唱力。ラップといえば、単調に、歌うように、話すように、早口で、叫びながらなど、曲調がさまざまであるのが特徴だが、声優陣はそれにも対応し、さすがの活舌を披露しているだけでなく、さらにはキャラクター性も見事に入れ込んでいる。
人気の理由2つ目としては、やはり魅力的なキャラクターたち。
まずは、「イケブクロ・ディビジョン」の代表チーム「Buster Bros!!!(バスター ブロス!!!)」を紹介しよう。
「Buster Bros!!!」の山田一郎(やまだ いちろう)、山田二郎(やまだ じろう)、山田三郎(やまだ さぶろう)は、名前からわかる通り兄弟。長男の一郎がリーダーを務めており、3人とも「オッドアイ(目が左右色違い)」という特徴を持つ。
続いて、「ヨコハマ・ディビジョン」の代表チーム「MAD TRIGGER CREW(マッド トリガー クルー)」。
ヨコハマ界隈を仕切るヤクザ・碧棺左馬刻(あおひつぎ さまとき)をリーダーに、警察官の入間銃兎(いるま じゅうと)、元海軍の毒島メイソン理鶯(ぶすじま メイソン りおう)で構成されている。
そして、「シブヤ・ディビジョン」の代表チーム「Fling Posse(フリング ポッセ)」。
ファッションデザイナーの飴村乱数(あめむら らむだ)がリーダーを務め、作家の夢野幻太郎(ゆめの げんたろう)、ギャンブラーの有栖川帝統(ありすがわ だいす)がチームメイト。
「シンジュク・ディビジョン」の代表チーム「麻天狼(まてんろう)」は、昨年春に開幕された4つのディビジョンによるトーナメント戦の優勝者。
リーダーは医師の神宮寺寂雷(じんぐうじ じゃくらい)が務め、ホストの伊弉冉一二三(いざなみ ひふみ)、医療系の会社員・観音坂独歩(かんのんざか どっぽ)と組んでいる。
さらに、今年9月より新たに追加となったチームが、「オオサカ・ディビジョン」と「ナゴヤ・ディビジョン」だ。
「オオサカ・ディビジョン」の代表チーム「どついたれ本舗」は、ピン芸人の白膠木 簓(ぬるで ささら)をリーダーに置き、教師の躑躅森 盧笙(つつじもり ろしょう)、詐欺師の天谷奴 零(あまやど れい)をメンバーにした異色トリオ。
「ナゴヤ・ディビジョン」の代表チーム「Bad Ass Temple」は、僧侶の波羅夷 空却(はらい くうこう)がリーダー。メンバーにはヴィジュアル系バンドのボーカル・四十物 十四(あいもの じゅうし)、弁護士の天国 獄(あまぐに ひとや)という、こちらも個性豊かな3人が揃っている。
“関係性萌え”要素が揃う!メンバーの複雑な過去が次々と明らかに…

各ディビジョンのCDに収録されているドラマトラックを聴くと、それぞれがチームを組んだきっかけを知ることができるほか、さらにアルバムには、別チーム同士の“複雑な関係性”も描かれている。
イケブクロ・ディビジョンの山田一郎とヨコハマ・ディビジョンの碧棺左馬刻、シブヤ・ディビジョンの飴村乱数とシンジュク・ディビジョンの神宮寺寂雷は仲が悪いのだが、この4人、過去に「The Dirty Dawg」というチームを組んでいたことがある。
かつては“伝説のチーム”とも呼ばれていたにも関わらず、なぜ解散してしまったのか。
この理由はまだ明かされていないのだが、ドラマトラックの中に“意味深”なセリフの数々が仕込まれている。これから続々と複雑な関係性が明かされていきそうだが、それまでに色々と妄想を膨らませるのも醍醐味だ。
さらに、山田一郎とナゴヤ・ディビジョンの波羅夷空却、碧棺左馬刻とオオサカ・ディビジョンの白膠木 簓も過去にチームを組んでいた仲。『ヒプマイ』はコミカライズ化もされており、こちらの解散理由は、ドラマトラックではなくコミックの方に描かれている。
HIP HOP界の重鎮や有名ラッパーが参加!曲がかっこよすぎる
『ヒプマイ』にはもう1つ、外せない“魅力”がある。それは、HIP HOP界の重鎮や有名ラッパーが作詞・作曲を手掛けているということだ。
なんと、日本のHIPHOP界を牽引してきた、あのZeebraが『ヒプマイ』に楽曲提供。
これは、トーナメント戦に優勝した「麻天狼」に贈られた楽曲で、KOHHやANARCHYら多数のアーティストの楽曲を手がける理貴も参加するという“豪華すぎる”1曲となった。
その他にも、山田一郎が歌う「俺が一郎」は、好良瓶太郎(コウラビンタロウ)こと、歌っている本人である木村が作詞しているだけでなく、パンクバンド・GEEKSのエンドウ.をはじめ、元Hysteric Blueの楠瀬タクヤ、元NIRGILISの岩田アッチュらで構成される「月蝕會議」が作曲。
さらに「月蝕會議」は、山田二郎が歌う「センセンフコク」の作詞・作曲、伊弉冉一二三が歌う「シャンパン ゴールド」の作曲も手掛けている。
また、その「シャンパン ゴールド」の作詞を、“チャラ男芸人”としてお馴染み、オリエンタルラジオの藤森慎吾が担当しているというバラエティの富みようだ。
また、最近話題となったのは、SOUL'd OUTのDiggy-MO'が提供した波羅夷空劫のソロ曲「そうぎゃらん BAM」。
Diggy-MO'が楽曲を提供するだけでもSNSをざわつかせたのだが、「あの複雑で独特なDiggy-MO'のリリックを表現できるのか?」と不安の声も……。しかし、トレーラーが解禁されるやいなや、「最高なんだが!?」「歌いこなしている!」「波羅夷空却くん、推します」など絶賛の声が多く挙がった。
アニメ・音楽業界だけじゃない!2.5次元舞台も大盛り上がり
前述した通り、2020年にはTVアニメ化も決定している『ヒプマイ』。
アニメ業界、音楽業界を騒がせているだけでなく、なんと今年の2019年11月15日から12月1日にかけて2.5次元舞台も上演されていたのだ。

発表された際、大きな反響を呼んだ舞台『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』Rule the Stage -track.1-。
それもそのはず。イケブクロ・ディビジョン「Buster Bros!!!」の山田一郎を演じたのは、『刀剣乱舞』や『スタミュ』などに出演し、2.5次元で絶大な人気を誇る高野洸。さらに、ヨコハマ・ディビジョン「MAD TRIGGER CREW」の碧棺左馬刻役には、元ジャニーズの阿部顕嵐など、話題性のあるキャスティングがズラリ。
そのほか、山田二郎役を松田昇大、山田三郎役を秋嶋隆斗、入間銃兎役を水江建太、毒島メイソン理鶯役をバーンズ勇気。舞台オリジナルのアカバネ・ディビジョン「North Bastard」堂庵和聖役を岸本勇太、狐久里梁山役を南部海人、蛇穴健栄役を松浦司が熱演した。
こちらも声優に負けず劣らず、高クオリティのラップをステージ上で披露している。
そして、2020年には『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』Rule the Stage -track.2-の上演も決定。新キャストとして、シブヤ・ディビジョン「Fling Posse」飴村乱数役に世古口凌、夢野幻太郎役に前山剛久、有栖川帝統役に滝澤諒。シンジュク・ディビジョン「麻天狼」神宮寺寂雷役に鮎川太陽、伊弉冉一二三役に荒木宏文、観音坂独歩役に宮城紘大という、これまた2.5次元界を騒がせる俳優たちが名を連ねた。
アニメ・音楽業界だけじゃない!2.5次元舞台も大盛り上がり
ここまで長々と解説してしまったが、なんだかんだ、とりあえずこの曲を聴いてみてほしい。
…きっと他の曲も聴きたくなったであろう。
各ディビジョンCDにはキャラクター3人それぞれのキャラクターソングとなるラップ3曲が収録。キャラクター性が十分に落とし込まれた楽曲となっているので、まずは好みのキャラクターから入ってみてはいかがだろうか。気付けば全キャラクターの楽曲を聴き、『ヒプマイ』の世界に惹き込まれているだろう。
アニメ化が決定するなど、2020年も大旋風を巻き起こす『ヒプマイ』。
2020年3月28日(土)・29(日)には、メットライフドームでヒプノシスマイク史上最大規模のライブ開催も決定している。新たに誕生したオオサカ&ナゴヤ・ディビジョンを加えた全6ディビジョンの全キャストが集結するとのことで、盛り上がること間違いなしだ。
『ヒプマイ』に興味を持った方は是非足を運んでみて、“バイブス”を感じてみてはいかがだろうか。PEACE!
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