そこで今回は、マクロファージを演じる井上喜久子さんにインタビューを敢行。作品の見どころや感想はもちろんだが、“永遠の17歳”しても知られる井上さんだけに、自身の若さや健康の秘訣、そして謎多き“17歳教”についてもズバリと切り込んだ質問をぶつけてきた。井上さんのほがらかにしてしなやかな人柄に秘められた、“17歳教”教祖としての苦悩や信念とは――。
さらに17歳を維持し続ける井上さんの秘密に迫るべく簡易的な“身体測定”も実施。驚きの結果が明らかとなったので、インタビューと合わせてご覧いただきたい。
[取材・構成=馬波レイ]
TVアニメ『はたらく細胞』
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TOKYO MX・MBS・BS11ほか各局にて毎週土曜日より放送中
各サイトにて毎週月曜日より配信中
https://hataraku-saibou.com/
■幼稚園の先生になれたのがとっても嬉しかった
――『はたらく細胞』は体の中の細胞たちを擬人化した作品ですが、作品に触れたときの第一印象は?
井上喜久子さん(以下 井上)
オーディションのときに初めて読ませていただいたのですが、「す~っごくおもしろいなぁ~」と思いました。ありきたりかもしれませんけど、なんておもしろくてためになるコミックスなんだろうって。
――体の中で行われているということは自覚しにくいですが、物語になるとすんなり入ってきますよね。オーディションはどのキャラクターで受けたのですか?
井上
「マクロファージ役を受けてください」というオファーがあって音声を録らせていただきました。言葉の響きもキャラ絵もとっても可愛くって嬉しくなったのですが、セリフを読んだらニコニコしながらバッサバッサとバイキンたちを殺していくキャラクターだったので……余計に嬉しくなりましたね(笑)。ありきたりのお姉さんではなくて、二面性がある面白い役柄だと感じたので、気合いを入れてオーディションを受けさせていただきました。
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――マクロファージという役柄についてどう思われました?
井上
コミックスだけではなく、スマホで実際のマクロファージについて調べてみましたけど……とても難しくて。「へぇ~! ふ~ん! すっご~い!」って(笑)。なので、それが自分の知識として身につくことはなかったのですけど、だからマンガになっているんだ! と気付かされましたね。
――役柄を演じるにあたって意識されていることは?
井上
メインで一番頑張っている赤血球ちゃんは常にあちこち駆け回って大変そうにしていますけど、マクロファージは一歩下がったところでお茶を飲んでいたりするんです。
だから私自身もみんなをちょっと俯瞰した位置で見ることができるような感じ。たとえるなら、VIPルームでお茶を飲んでいるような(笑)。
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――(笑)。
井上
みんなが働いているのにズルいかもしれませんけど、そうやってのんびりできるのが嬉しいです。私も17歳とはいえ、肉体的には年季が入っちゃっているので、ちょっとラクしてもいいかなって。うふふ。
――マクロファージの役割としては、体内の掃除屋さんに加えて、赤芽球を赤血球へと育てることも担っています。
井上
そこのシーンが大好きで! お話の中では幼稚園の先生みたく描かれているんですけど、とにかく赤芽球ちゃんがかわいい!
幼稚園の先生って自分の中ではすごく憧れていて、「せんせー、せんせー!」と呼びかけられたときは、演じながらすごくキュンキュンしちゃいました。
ほかの作品でも先生役を演じることは多かったんですけど、意外に幼稚園の先生って演じたことがなくて。(頭の上に手をやって)「こわ~いのが、くるぞ~~!」と演じたりもう至福のひとときでしたね。
赤芽球ちゃんたちのリアクションもすっごくかわいくて、内心ほくそ笑んでいました。
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――作品に関わったことで、自分の体内を意識することがありますか?
井上
私、昔から“いつの間にか傷を作る”ことが多いんですよ。血液型がO型特有のことらしいんですけど、気がつくと青アザや切り傷ができてるんですね。
以前は「なんでやっちゃったんだろう」と気落ちすることありましたけど、最近は傷口が塞がれるたびに「ありがとう血小板ちゃん!」と愛おしい気持ちになります。むしろ、怪我してちょっとうれしいくらい(笑)。
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――井上さんから見た、作品の見どころをお聞かせください。
井上
普通の作品では1シリーズの中にのどかな回や盛り上がる回があって緩急があると思うんですけど、『はたらく細胞』はもう毎回がドラマチック! それがすごいなって思います。原作のパワーにアニメの力が加わって、さらに面白くなっているので、ふと気になった方も途中からでも充分楽しめます。
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