抽選で選ばれた25組50名の親子を前に、細田監督はまず映画制作のきっかけについてトーク。「僕はいま5歳と2歳の子どもがいるんです。子どもにとってはひとりきょうだいが増えるというのは、すごく大きな出来事。そしてその出会いから、きょうだいの関係は一生続いていく。そういうところを大きな物語として描けたらいいな、と思って作りました」と明かした。
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また細田監督が「みんなはきょうだいがいる?」と声を掛けると、子どもたちは元気よく挙手。一人っ子の参加者には、「僕も一人っ子。きょうだいっていいなと思ってこの映画をつくったんですよ」と話しかけた。
オーディションでくんちゃん役を射止めた上白石については、細田監督が「くんちゃんと似ていると思いました。もちろん外見は違うけど、子どもの心を持っている人」とコメント。
一方、初めて声優に挑戦した上白石は、4歳の男の子役について「保育園に行って実際に4歳の男の子と接することで役作りのヒントをつかめたような気がします」との役作りの苦労を語った。
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来場した子どもたちからの質問に答えるコーナーでは、「作っていて一番楽しかったのは?」との問い掛けに細田監督が「くんちゃんを描いているとき。アニメ映画で4歳の男の子を主人公として描くことはなかなかないので、スタッフみんなで楽しんでくんちゃんを描きました」と返答。
上白石は「くんちゃんが怒って床にのたうちまわるシーン。演じていて『自分の中にこんな感情が眠っていたんだ。くんちゃんがこの気持ちを引き出してくれたんだ』と思いました」と答えた。
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続いて劇中絵本『オニババ対ヒゲ』を紹介した細田監督は、制作に参加した絵本作家・tupera tuperaとのやり取りについて「『普通じゃない、ビックリするような絵本を作りましょう』とお願いしました。そうしたら、擬音だけで構成された絵本が出来上がって、本当にビックリしました」と回想。
ここで会場にくんちゃんも登場し、くんちゃんが妹のミライちゃんに『オニババ対ヒゲ』を読み聞かせるシーンを、上白石が子どもたちの前で再現してみせた。
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上白石が大好きだという絵本『はじめてのおつかい』の読み聞かせも行われたのち、イベントの最後には細田監督が「子供たちと一緒に絵本を読むように楽しめる映画になったと思います」とコメント。「子どもが小さい頃の時間はかけがえのないもの。一瞬一瞬を大切にいい思い出をつくってほしいですね」と呼びかけ、イベントが締めくくられた。
映画『未来のミライ』は全国にて公開中。
(C)2018 スタジオ地図