“タマシイのぶつかり合い”でよりよい作品を…「消滅都市」原作スタッフが明かす、アニメ化企画の裏側 2ページ目 | アニメ!アニメ!

“タマシイのぶつかり合い”でよりよい作品を…「消滅都市」原作スタッフが明かす、アニメ化企画の裏側

2018年5月27日に開催されたリアルイベント「PROJECT消滅都市発足発表会」にて、アニメ化が発表された人気スマートフォン向けゲーム『消滅都市』。

インタビュー スタッフ
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左から大桑哲也氏、下田翔大氏、濱坂真一郎氏
左から大桑哲也氏、下田翔大氏、濱坂真一郎氏 全 9 枚 拡大写真

■ゲームのキャラクターを紹介するだけのアニメにはしたくなかった



――アニメ化するにあたって原作の魅力をどう落とし込もうとされたのでしょうか?

下田
これはすごく不思議なことなんですけど、あるとき脚本の話をしながら、スタッフのみんなが「この物語って、辛いこともあったけど頑張って生きていこうという話ですよね」と言いあっていたんです。
それがゲームの初期キャッチコピーである「だけど、生きていく。」と自然と一致していたんですね。自分たちが進んできた方向は間違ってなかったんだなと感じられた瞬間でした。

下田翔大氏
下田翔大氏


――入り組んだゲームのストーリーが、TVアニメとしてどのように展開していくのか気になっているファンも多いかと思います

下田
ゲームで語られている物語をそのままになぞっているわけではありません。ゲームでの1~3章ではロスト(消え去った都市)という目的地に向かうのですが、「じゃあ東京のどこからどこまでを移動するのか」といった具体的な場所や距離感の部分を、アニメでは無視できない。「2時間のツーリングを終えたらロストに到着しました」となってもしょうがない(笑)。アニメにはゲームにない実在感、距離感、重力が発生しますので、新しいキャンパスにもう一度物語を描くようにシリーズ構成を練っていきました。

大桑
幸い、原作の物語の中から「この部分を使いましょう」というのは、脚本家さんや制作プロデューサーの方とほとんど意見が一致しました。
事前にゲームをかなり遊びこんでくれていて作品に対しての理解があったので、ミーティングを進めるうちに相互の意見も一致するようになっていったんじゃないかと思います。

下田
自分が書く脚本はあくまでゲームに向けての言葉なので、アニメやドラマなど声を伴うセリフと向き合いつづけてきた方々には、それを活かすための手段が染み付いている。だから、自分が(脚本を)書いてはダメだ、プロの方と一緒に作れなければダメだと、はじめから考えていました。

――登場キャラクターが多数いる『消滅都市』ですが、アニメにはどれくらいの人数が出てくるのでしょうか?

下田
ドラマに必要なキャラクターを必要なだけ出そう、というコンセプトで作っていますが、現代社会で起こっていることを多角的に描くにあたって、多様な目線が必要となるので結果的に少なくない数になっているかなとは思います。
ただ、ゲームに登場するキャラクターを紹介するだけのアニメにはしたくなかったので、全員がまんべんなく出ているということもありません。


大桑
すでにキャストが発表になっている主要キャラクターは確実に登場しますが、物語としてのダイナミズムを一番大事にしているので、その中で泣く泣くアニメには登場させないというキャラクターもいます。
――キャラクターのお話が出たところで、原作ゲームでアート面を担当された濱坂さんにお聞きしたいのですが、アニメ化にはどの程度関わられているのでしょう?

濱坂真一郎(以下、濱坂)
キャラクター設定やティザービジュアルなどすべてのアートには目を通して、世界観に一致しているかを監修させてもらっています。
とはいえこれまで見させていただいたものは、『消滅都市』の世界観から大きく外れていることはなかったですね。

濱坂真一郎氏
濱坂真一郎氏


――ビジュアル面からのアドバイスなどはされたのでしょうか?

濱坂
マッドハウスさんはアニメ制作のプロフェッショナルなので、我々が作っているモノがアニメで活きるかどうかを意識して監修しています。

下田
キャラクターデザインの方の手腕が絶妙で、上がってきたものを見るたびに「大事にしてくださってありがとうございます」という気持ちにさせられるんですよね。

濱坂
複数いるこちらのアートスタッフそれぞれの個性を、うまくまとめてくださっているんです。デザインが上がってくるたびに「こうきたか!」と唸らされることは多かったです。画力だけじゃなく、仕事に向き合う姿勢も含めて尊敬できるスタッフの方たちです。
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《馬波レイ》

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