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「劇場版ポケットモンスター キミにきめた!」松本梨香インタビュー ポケモンが皆の帰ってこられる場所でありたい

今年で20周年を迎えたアニメ『ポケットモンスター』。7月15日ロードショーの『劇場版ポケットモンスター キミにきめた!』はポケモン20周年記念作品として製作され、サトシとピカチュウの出会いにフォーカスを当てる。

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■ポケモンからもらった思い出

――サトシというキャラクターとも20年の付き合いですよね。長きに渡ってサトシを演じるうえで、一番の軸となっているものは何ですか?

松本
昔からずっと、サトシは子どもたちに寄り添える男の子でありたいと考えてきました。見た子どもたちがサトシを友だちだと思ってくれて、寂しかったりつらかったりする時に支えられるキャラクターでありたいんです。友だちでなくても、弟やお兄ちゃんや息子でもいい。皆の心に寄り添うサトシになれればと思って演じています。
一人ぼっちにさせないよ的な…。

――サトシを演じていて、驚いたり気づかされたりすることはありますか?

松本
サトシは時々、大人びたことを言うんです。『ポケットモンスター XY&Z』(2015-2016年)のゲッコウガとの別れのエピソードで、サトシは相手のことをものすごく理解し、泣きたいのを我慢して送り出してあげました。ああいう時のサトシは「ああ……」と感慨深く見てしまいますし、自分自身と重ねて考えてしまいます。


――今回の映画でも、ポケモンとの出会いと別れが描かれています。松本さんは、サトシとポケモンの関係性をどのようなものだと捉えていますか?

松本
無償の愛ですよね。サトシがピカチュウに「君は俺が嫌い?」「俺は君が好きだよ」と語りかけるシーンは、親子の雰囲気でやりたいなと思っていました。前は、飼っていた犬をよくピカチュウにたとえて練習をしていました。呼んでもいないのに鼻をクンクンいわせて寄ってきては、「大丈夫?」という顔をしたりするところがなんだかピカチュウっぽくて。ちょうど体重も同じくらいで(笑)。今回アニメの第1話を見返しましたが、20年前の私はまだ若くて、ただまっすぐに愛を伝えていた気がしました。今年の映画では、その奥にある深い部分が表現できたと感じています。

――サトシの熱い気持ち、ひいては松本さんのポケモンへの愛情を強く感じられるシーンでした。

松本
ありがとうございます。私自身も、ポケモンからたくさんの素敵な思い出や経験をもらってきました。今回の映画にバタフリーが出てきますが、最初のテレビシリーズの第21話「バイバイバタフリー」は私にとってもすごく思い出深いエピソードなんです。たまたま仕事が早く終わって、母親と一緒にオンエアを見たのが「バイバイバタフリー」の回でした。見ていて思わず涙が出そうになって、「サトシ、上手いでしょ!」とジョークまじりにごまかそうとしたら、横で母が号泣していたんです。そんな出来事もあって、「好きなエピソードは?」と聞かれた時はいつも「バイバイバタフリー」を挙げています。ポケモンに携われたから生まれた思い出ですね。

――ポケモンに携わったこの20年で、松本さんご自身が一番変化したことは何ですか?

松本
責任感が強くなりました。自分が放つメッセージは、たとえ松本梨香として言葉を発する時でも、サトシを好きな人たちを裏切ってはいけないなと考えるようになりました。一年契約で始まったアニメがこうして20年も積み重なり、もちろん感謝の気持ちでいっぱいですが、時には大きな十字架を背負っているような心地になることもあります。それでも、皆に勇気や元気、笑顔になってもらえる様な表現者でいたいから、これからも日々精進だと思います。


――最後に、これからもサトシであり続ける松本さんの今後の目標を教えてください。

松本
節目の年ということで、ふんどしを締め直すような感覚です。このまま元気をキープするために体力をつけなくちゃいけないな、と思います。80歳を過ぎても現役で活躍してらっしゃるすごい先輩はたくさんいます。私も先輩たちを見習って、今まで以上に頑張っていきたいと思います。
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