【インタビュー】「イデオン」から「ダンバイン」まで、湖川友謙が語る“作画の心得”とは? | アニメ!アニメ!

【インタビュー】「イデオン」から「ダンバイン」まで、湖川友謙が語る“作画の心得”とは?

『伝説巨神イデオン』、『戦闘メカ ザブングル』、『聖戦士ダンバイン』など80年代サンライズを代表する名作ロボットアニメを富野由悠季監督とともに作り上げた名アニメーター・湖川友謙。

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『伝説巨神イデオン』、『戦闘メカ ザブングル』、『聖戦士ダンバイン』など80年代サンライズを代表する名作ロボットアニメを富野由悠季監督とともに作り上げた名アニメーター・湖川友謙。圧倒的なデッサン力や卓越した観察眼から生み出されたキャラクター、作画法は湖川氏が主宰した作画スタジオ「ビーボォー」所属のアニメーターだけでなく、後続の多くのクリエイターに影響を与えた。その湖川氏が17年6月30日に『湖川友謙 サンライズ作品画集』を刊行する。先に挙げた3作品のイラストを中心に大ボリュームで収録した初の個人画集である。
アニメ!アニメ!では刊行を記念して単独インタビューを行った。発行元の一迅社・串田編集長にもご参加いただき胸を借りるつもりで話をうかがった結果、話題はさまざまな方面へ及んだ。いろいろなものに強い好奇心を持ち続け、第一線で活躍し続ける巨匠の話、ぜひ最後まで読んでいただきたい。
[取材・構成/細川洋平]

『湖川友謙 サンライズ作品画集』特設ページ
http://www.ichijinsha.co.jp/special/books/kogawa_artworks/


――『湖川友謙 サンライズ作品画集』はどういった経緯で出版されることになったのでしょうか。

湖川友謙(以下、湖川)
その前にも「画集出したい」ってここ2年くらいの間に2件くらい打診があったんです。何10年か前にも何度かありましたが、誰も実現しないので一迅社が名乗りを上げてくれました。

一迅社「Febri」串田誠編集長(以下、串田)
昔、僕がいた出版社で『聖戦士ダンバインノスタルジア―Do you remember the tale of Byston Well?』という本を富野(由悠季)さんや湖川さんにもご協力いただいて出しました。2000年の出版以来のお付き合いをさせていただいて、今回ついに「画集はどうですか?」とお話することができて。

――実現に至ったわけですね。ちなみに今回はイラストを集めた画集ですが、キャリアの中で膨大な数の原画も描かれていると思います。原画集のお話もあるのでしょうか。

湖川
いやね、ないんですよ。今まで描いた絵の20~30%くらいしか残っていない。当時、原画とかセルは全部ゴミに出してましたし、イラストもいろんなところに描いたんですけど、手元に残ってるのはほんのわずか。今回の画集に入っている、「ザ・テレビジョン」の表紙になったチャム・ファウの絵は佐藤さん(※)が「たまたまあった」と持って来てくれたものだし。

(※編集註:「月刊Newtype」初代編集長・佐藤良悦氏)

――今回の画集に載せるために絵を集めるのは苦労されたのでしょうか。

湖川
結局はほとんど私が持っていたやつで、あとはサンライズに少しあったデータとかです。

串田
中にはB0(※)というすごく大きい絵もありました。ここまで大きい原稿って普通ないんです。今は基本データ納品なので、データにするために大日本印刷さんに運び込んで、1億画素の最新のカメラで撮影したんですけど、大変でしたね。

(※編集註:B0=1030 × 1456ミリ)

――色などの再現度もやはり高いのでしょうか。

湖川
原版のことをいろいろ考えてくれて、合わせてくれましたよ。

串田
プリンティングディレクターの方ががんばってくれたので、再現度は高いと思います。

湖川
ただ肌色とかは難しいんですよ。赤や青が他の箇所にあるとどうしても影響を受ける。私は感覚で色を付けてるから原版と違う色になったのを見て逆に「あ、いいなあ」と思うときもあるけど(笑)。
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《細川洋平》

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