映画「銀魂」福田雄一監督が実写化キャストにお墨付き 撮影現場取材 | アニメ!アニメ!

映画「銀魂」福田雄一監督が実写化キャストにお墨付き 撮影現場取材

映画『銀魂』が2017年7月14日(金)に全国公開を迎える。その撮影現場の様子を取材し、福田監督に話をうかがった。

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映画「銀魂」福田雄一監督が実写化キャストにお墨付き  撮影現場取材
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空知英秋原作、「週刊少年ジャンプ」で連載中の大人気作を実写化した映画『銀魂』が2017年7月14日(金)に全国公開を迎える。主人公の坂田銀時役に小栗旬を起用するなど、豪華なキャスティングが話題を呼んでいる本作。しかし、ファンの中には漫画・アニメの実写映画化にあまり歓迎的でない層がいることも確かだろう。そこで本稿では、去る2016年8月24日(水)に開かれた撮影現場取材のレポートをお届けする。本作のメガホンを取った福田雄一監督に、この映画化がどのようにして実現したのかという経緯も聞くことができたので、『銀魂』ファンの方々にはぜひご一読頂きたい。

この日、撮影されていたのはアニメ『銀魂』でいう第65話「少年はカブト虫を通し生命の尊さを知る」中のワンシーン。将軍のペットである黄金に輝くカブトムシ・瑠璃丸をめぐって万事屋と真撰組の面々が面白おかしく対決する様から、原作・アニメともにファンからの人気が高いエピソードだ。

撮影に参加していたのは小栗旬、菅田将暉(志村新八役)、橋本環奈(神楽役)、岡田将生(桂小太郎役)、柳楽優弥(土方十四郎役)、吉沢亮(沖田総悟役)ら6名にエリザベスを加えたメンバー。江戸の下町をイメージさせるロケーションをバックに、大勢のエキストラをともなって全力疾走するシーンのテイクを重ねていた。真夏のうだるような暑さのなか、ウィッグや衣装を身に着けたまま何回もダッシュと映像の確認を繰り返しながらも、笑いながらコミュニケーションをとる万事屋3人の姿が印象的だった。一方の真選組は、沖田がお得意のバズーカ砲を発射するシーンを撮影。いちファンとして見学させてもらったが、実写キャスト陣の味と原作の良さが混じり合った作品となることは想像に難くなかった。


福田監督に対しては、インタビュー形式で話を聞くことができたので、ここからはその様子をお届けしよう。

――福田監督と『銀魂』との出会いを教えてください

福田雄一監督(以下、福田)
『(勇者)ヨシヒコ』のパート1を放送していた頃、うちの長男に「ネットで『ヨシヒコ』が『銀魂』と似てるって言われてるよ」って言われたんですよ。それで、包み隠さず言えば非常に腹が立ちまして(笑)。オリジナルで作ったものが何かに似ていると言われるのは、作り手としてちょっとイラっとしたんですよね。その時から『銀魂』というタイトルは知っていたんですけど「いやいや、似てるなんてありえねぇ」と思って、そこからちょっと避けていたところがあったんですよ。本当に去年(2016年8月24日時点)くらいまでアニメも見たことなかったし、漫画も読んだことなかったんです。

――そこからどのような出会いが?

福田
次男がキッズステーションで『妖怪ウォッチ』をよく見るんですが、それが終わった後に『銀魂』の5話一挙放送があったんですよ。その時に何となく見て「やっぱり『ヨシヒコ』若干似てたんだな」と(笑)。同時に面白いなとも感じて、それは空知先生と“笑いの方向性”が似てたからなんだと思いました。パロディの仕方やキャラクター作りに関する笑など「これだったら似てると言われてもしょうがないな」と。そこからは漫画を全部読んでアニメも全部見て、ちょうどその頃にワーナーさんから「何かやりませんか?」とお話を頂いたんです。

――そこで『銀魂』の実写映画化を提案した?

福田
僕からは言わなかったんですけど、「『銀魂』って僕が(監督を)やったらいいんじゃないか」という意見がネットにあるらしいよと言われて。そういう評判があることは長男からも聞いていたので「そうみたいですね」と伝えた覚えがあります。でも、ワーナーの松橋(真三)プロデューサーが集英社にオファーした時、空知先生が「連載中の実写化はあまり気のりしない」と言っていたみたいで。やっぱり無理なんですねーと話していたら、その次の週に話が空知先生に伝わって、「コスプレ感丸出しの『ヨシヒコ』が成功したから、『銀魂』もできるんじゃないでしょうか。」と言ってくれたんです(笑)。多分、先生も『ヨシヒコ』を見てくれて「似てるな」と思える部分があったんじゃないでしょうか。


――監督から見た小栗さんの印象を教えてください

福田
銀時っていう役柄が、攘夷戦争を戦って、負けて、天人が支配している江戸に甘んじて生活している。良い意味で諦めの中で生活している人だから、その一個抜けた感じが小栗くんにぴったりだったんですよね。それで、冗談半分で松橋さんに「小栗くん、口説いちゃいません?」と連絡して。2人で猛烈に頼み込んでオファーしました。万屋の面々とか他の人たちとの関わりの中で、力の抜けたやる気のない感じと、いざとなったらかっこいい面を繰り出してくれるので「(銀時役には)やっぱり小栗くんしかいなかったんだな」と思いましたね。

――原作に対して台本はどの程度変化を加えているのでしょうか

福田
僕、基本的には原作好きだったらガッツリ原作に寄せていく方なので、そんなに自由には作っていないです。やっぱり原作ファンの方にも満足して欲しいという思いがありますし。役者さんにはビジュアルもしゃべり方も、だいぶ原作に寄せてもらいました。あえて寄せなかったのは(武市変平太役の)ジロさん(佐藤二朗)だけです。

――キャストさんたちも『銀魂』好きな方が多いと聞きました

福田
すごく原作を理解した状況で入ってきていて、役者さんが自然と似せてくるんですよね。(映画を作る上で)原作にいかに近づけるかっていう喜びはあります。僕から役に似せてくれと言ったことはないんですけど、神楽はしゃべり方が特殊なキャラクターなので(橋本)環奈ちゃんには「とにかくアニメを見ておいてくれ」と言いました。もうあの訛りがキャラクターと直結しているので、「セリフを読んだら訛りと『~アルヨ』は自然に聞こえるようにしておいて欲しい」と。そこぐらいかな。空知先生にも「神楽の話し方は寒くならないですか?」と心配されたのですが、「寒くないキャスティングをします」って約束したんです。

――では、キャラ作りに関しては監督から特に指導することはなかったんですか?

福田
みんな割りと自由な現場でやっているんですよ。菅田くんなんてクランクインから楽しげにやってますけど、いまや新八にしか見えないですからね。別に似せろとも言ってないのに役にハマってくれて、幸せな現場です。正直、(近藤勲役の)勘九朗さんは絶対ハマらないと思っていましたけど、すっげぇハマっていましたね。ハマりすぎてご本人が「俺ゴリラだわ」って言っていたくらいです(笑)。

――公開が楽しみですね。本日はありがとうございました!

《キャプテン住谷》

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