「傷物語〈II 熱血篇〉」初日舞台挨拶で神谷「本当に声優をやっていて良かった」と笑顔
8月19日、西尾維新原作の人気作品『物語』シリーズの最新劇場アニメ『傷物語〈II 熱血篇〉』が全国117館にて公開。その初日舞台挨拶が東京・新宿バルト9で開催された。
イベント・レポート
アニメ
注目記事
-
2025年冬アニメ、一目惚れした男性キャラは? 3位「SAKAMOTO DAYS」坂本太郎、2位「薬屋のひとりごと」壬氏、1位は…
-
3人の吸血鬼ハンターとの熾烈な戦いが展開 今週注目の映画「傷物語〈II熱血篇〉」
-
日岡なつみ、倉持若菜ら声優とプロデューサーが研修生の疑問に一問一答! 声優に求められる能力とは?座談会インタビュー【PR】

壇上には阿良々木暦役の神谷浩史、忍野メメ役の櫻井孝宏、プロデューサーの久保田光俊、本作の音楽を担当した神前暁が姿を見せ、制作秘話を披露した。
本編の感想を聞かれると、「本当に声優をやっていて良かった。なかなかこんな気持ちにさせてくれる作品と出会うのは難しい」と神谷。櫻井は「今回はバトルが見どころのひとつ。キャラクターの考え方やスタンスが色濃く贅沢に描かれている」と応えた。
話題が演技の作り込みへと移ると、神谷は「基本的に原作を片手に台本をチェックしている。テレビシリーズと比べて『傷物語』はナレーションを極力排した作りになっていて、絵で説明をすることが多い」と触れ、「羽川の印象が、原作と違うと感じる人は多いと思う。これをどうアプローチするか、その絵にどういう意味が込められているのか。原作とアニメの間に立つ者として、原作の内容をなるべく落とし込むというチャレンジをしました」と苦心を語った。
『熱血篇』では重要な役回りになっているというメメについて、櫻井は「阿良々木君に対して『こら』と怒るシーンが難しかった。『こら』って怒り方は少し親密な感じがするじゃないですか。その方向性を決めるのに役者として悩みました。尾石監督と『堀江由衣さんみたく聞こえるんですよね』とか相談しながら(笑)。優しく、包み込むような演技を指導されました」と回想した。
音楽制作については、尾石監督から「古き良きフランス映画みたいにしたい」というオーダーがあったと神前。そのイメージが伝わったのか、客席からは「ああ」と納得の声が漏れ出した。続けて神前は「具体的に、『この映画のこんなシーンみたいにしたい』ということが書かれたメモを十数枚頂いて。そういったやり取りの中で作っていきました。エンディングテーマもクレモンティーヌさんに歌って頂くことになり、そこでひとつ本物になった」と裏話を披露した。
映像制作の苦労については、「今回はアクションがメインで、現場としてもカロリーの高い作画だった。まずはよく完成したな、と胸をなでおろしています」と久保田。「アニメーションの技術は日進月歩。劇場作品ということで、最新の技術を注ぎ込みたかった。その実現のために時間がかかってしまいましたが、お待ち頂いたファンの方々に応えられる素晴らしい映像美になったのではないか」と胸を張った。
それを受けた神谷は「本来なら2012年に公開しなくちゃいけなかったんですよね」と返して笑いを誘った後、時間が空いたからこそプラスとなった部分もあるとトーク。「「人間強度が下がる」という印象的なセリフがあるんですけど、『熱血篇』が公開される前に取り組んだ『終物語』でも同じセリフが出てきます。僕はその経験があったから「ああ、ここに意味があったんだ」とイメージを掴むことができました。今、このタイミングでお届けできたことには意味があると思います」と熱弁した。
最後の挨拶では、「バトルシーンは『気を抜いたら殺される!』と思って全力でやりました。アフレコが終わった後、(ギロチンカッター役の)大塚芳忠さんから『お疲れ様』と握手をされました。お互いにやりきって、そういうものが焼きついたフィルムになっています。『傷物語』は悲劇に向う作品ですが、その結末を楽しみにしていてください」と神谷。大きな拍手を受けながら舞台挨拶の幕を引いた。
『傷物語〈II 熱血篇〉』8月19日(金)より上映中
(C)西尾維新/講談社・アニプレックス・シャフト
配給:東宝映像事業部
上映時間:69分
※PG-12指定
《キャプテン住谷》
特集
この記事の写真
/