「ゼーガペイン」VR空間でイベント開催 浅沼晋太郎と花澤香菜からメッセージも
『ゼーガペイン』が2016年で放送から10周年を迎えた。その一環として7月15日には、「舞浜サーバー起動テスト記念式典」が開催された。その様子をレポートする。
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その一環として7月15日には、「舞浜サーバー起動テスト記念式典」が開催された。
こちらはVR空間上に「舞浜サーバー」を作り、そこでファンと一体となって舞浜サーバーの起動テストを実施しようというもの。イベントには本作のデザインディレクターであるハタイケヒロユキ、SF設定の高島雄哉、クラスター株式会社の加藤直人が出演した。
「舞浜サーバー起動テスト記念式典」は、バーチャル世界でイベントを開催できるサービス「クラスター」にて実施された。VRヘッドマウントディスプレイを使用すれば、空間を360°楽しむことが可能で、実際に会場にいる雰囲気を味わえる。さらにVRを持っていなくても、PCアプリをダウンロードすればプレゼンテーションに参加できる。
いざ体験してみると、バーチャル上のイベント会場にはステージが置かれている。その上部にはスライドなどを写すモニター、左手側には参加者のコメントが流れるようになっていた。参加者たちはアバターとなる真っ白な仮の肉体を持ち、顔にはツイッターのアイコン、そして名前が表示されている。拍手や「!」などのアクションが可能で、今回は『ゼーガペイン』から作中に登場する“セレブアイコン”が特別に作られた。
バーチャル上の会場には200人以上の参加者が集結。席は決まっていないので、それぞれが見やすい場所へ移動したが、「もっと前へどうぞ」という呼びかけで大勢の参加者がステージ前に集まった。バーチャルなので、立ち見でも疲れることはない。
20時にはステージにゲストが登壇し、参加者から多くの拍手が上がっていた。さらにサプライズとしてメインキャストによる特別映像が上映され、主人公の十凍京役の浅沼晋太郎、守凪了子役の花澤香菜が登場した。動画はこのイベントの為に撮影されたもので、バーチャル上のイベントということには二人も驚いた様子だった。「ここのへんに(参加者のアイコンが)出てるはず」と二人が下の方に向かって手を振る様子や、最新技術すぎて付いていけないという話では、浅沼から「(そもそも)フリック入力が苦手」という驚きのコメントも。最後には花澤が「データロストされないように」と作品らしいコメントをし、「エンタングル!」と言って動画は締めくくられた。
イベントは2部構成となり、第1部では『ゼーガペイン』ならではの「量子」というキーワードを中心にトークが行われた。10年経った今だからこそ分かった事として、量子は実はすぐに壊れやすい性質があり、新作ではより正しい表現が描かれるという。だが、専門的な話ゆえにハタイケ氏は「スタッフに説明するのが大変だった」と苦労を語った。このほか量子コンピューターにも得意・不得意があり万能ではないなど、高度なトークが展開。参加者からは「想像以上に授業っぽい」という反応もあった。
第2部では作品についての話へ。まず新作のコンセプトは「インフォゼーガ」だと明かされた。これは「インフォメーションゼーガペイン」の略で、ネット上に文字や絵が飛び交う様子から着想を得て、それを本作で表現できるのではないかと考えたそうだ。今の最新情報技術をどう取り込むかという話では、作品にありがちな数学がたくさん流れるようなビジュアルではなく、“幾何学”っぽいイメージを取り入れるという。さらにステージのスライドでは様々な資料が並び、キャラクターの原案も公開された。
最後には全員でセレブアイコンを出し、記念撮影を実施。さらにサプライズとして宇宙空間だったバーチャル会場の景色が、突如として舞浜に変貌。360°舞浜を見渡すことができるこの演出に、ファンたちは動きまわったりコメントを残したりして喜びを表現していた
イベントでは、クラスター株式会社の代表でもある加藤氏から、クラスターを生み出した背景として「家から出たくない」「コミケがバーチャル上でできたらいいな」という引きこもりならではの動機があったことが明かされた。チケットの購入や列に並ばなくて済むなど、様々な利点があるが、改善すべき点も多い。しかし今回取材をして、今後のイベントあり方の可能性が広がっている事を強く感じた。10周年を迎える『ゼーガペイン』、そしてクラスター、VRと、現実の世界がアニメに近づきつつあるようだ。
《タカロク》
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