伊藤悠のキャラクターデザイン原案、千葉道徳のキャラクターデザインで描かれたキャラクターも本作の魅力のひとつだ。固い絆で結ばれた寡黙な主人公の三日月・オーガス、リーダーであるオルガ・イツカ。そして二人を取り巻く鉄華団を中心とした個性たっぷりの満面。
そんな作品について三日月・オーガス役を演じる河西健吾さん、オルガ・イツカ役の細谷佳正さんに伺った。『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』のキャラクター、作品の魅力は何なのだろうか?
[取材・構成=数土直志]
『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』
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--今回、おふたりがそれぞれ三日月・オーガス、オルガ・イツカを演じることになったきっかけを教えてください。
細谷佳正さん(以下、細谷)
オーディションでしたね。
河西健吾さん(以下、河西)
そうですね。
細谷
オーディションではまず原稿とキャラクターの表を頂くんです。そこには登場人物がいっぱいて、人間関係とかが書いてあります。
僕は今回は4キャラクターを受けさせて頂きました。河西君はどうでしたか?
河西
僕は2キャラでしたね。三日月とユージンを受けさせてもらいました。
--オーディションを経て三日月役が決まった訳ですが、決まった瞬間はどういった気持ちでしたか?
河西
事前にマネージャーからは「最終選考まで残ってるよ」と伺っていて、そこから2、3週間空いた時にマネージャーから「決まったから。これからよろしく」と電話を受けました。嬉しいの一言で片付けるのは難しいですが「とにかくやったぞ!」と。
小さい頃から見ていたガンダムですから、それに関われ、しかも主役もやらせて頂けるのは、とても光栄ですから。
--三日月は寡黙なキャラクターなのですが、そうしたなかで工夫されているところはありますか?
河西
音響監督からは「すごくクールな役柄だから」と言われました。最初少しボソボソっとしゃべるくらいのイメージで作っていったんです。ただやり過ぎてしまうと「そこはもうちょっと声出して」と、逆に声を出しすぎると「そこは抑えて」みたいなところがあります。本当にミリ単位のさじ加減でディレクションを受けました。
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--逆にオルガは説明する立場でもあり、能弁です。状況を引っ張っていくキャラクターにも見えます。
細谷
“外枠”な感じしますね。オルガはCGSで働いていてクーデリアを地球に送り届けてくださいという任務を受けるのですが、CGSの大人たちに裏切られたことをきっかけにクーデターを起こします。ただ状況引っ張るというと、とても主人公ぽく聞こえるのですが、そういう感じではありません。僕が思うのは天才と努力の人ですね。三日月が天才だとしたら、オルガは努力の人です。
--オルガは合理主義で潔さもあります。そうした考えに共感するとか、あるいは俺とは少し違うなといった気持ちはありますか?
細谷
自分と似ているというのはないですね。ただ役を作っていく上で、すごく好きになれたキャラクターです。自分の中でキャラクターを素敵にしていきたいな、というのはずっとありますね。
--河西さんはどうですか。三日月は、バッバッと人を殺すシーンもあります。三日月にもある意味で潔さがあり、ちょっと怖いところもあるんですけど。
河西
僕もすごく面倒臭がり屋で、「もういいや」と思ったことに対してはバサッと捨てたりとかはありますね。潔いという言葉が合ってるのかは分からないですけど、そういうところは似てるかなという気はします。
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