「ハーモ二―」公開舞台挨拶 アリアス、なかむら両監督にキャスト陣が登壇 | アニメ!アニメ!

「ハーモ二―」公開舞台挨拶 アリアス、なかむら両監督にキャスト陣が登壇

映画『ハーモニー』公開記念した舞台挨拶が11月14日に実施。メインキャラクター3人の沢城みゆき、上田麗奈、洲崎綾とマイケル・アリアスとなかむらたかし両監督が登壇した。

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『ハーモニー』公開初日舞台挨拶
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夭逝の作家・伊藤計劃の小説をアニメーション化した『ハーモニー』の公開を記念して11月14日(土)、メインキャラクター3人の声を担当した沢城みゆき、上田麗奈、洲崎綾とマイケル・アリアスとなかむらたかし両監督が舞台挨拶を行なった。

伊藤計劃の原作を映画化していく「Project Itoh」の中の、『屍者の帝国』に続く第2弾で、伊藤氏の「フィリップ・K・ディック賞」を受賞した遺作を映画化。「大災禍」と呼ばれる世界的な混沌から復興し、その反動から極端な健康志向と社会の調和を重んじた、超高度医療社会を舞台に、そんな世界に抵抗を試みる3人の少女たちの姿を描く。

複雑かつ、決して明るいとは言えない本作。ボイスキャストを務めた3人はどのように受け止めたのか? 沢城さんは「ひと言ではまとめられず、しばらくぼんやりして、でもあまりカチッと来る答えが出てこないで、見た人とたちと感想を言い合いつつ『そうかも…』と感じるような作品」と慎重に言葉を選びつつ語る。

上田さんは「決してかけ離れてはいない、現代にもある物語と感じました。ひとりで抱えきれず、誰かと一緒に共感し合わないとわからない作品」と漏らす。洲崎さんも「見終わって、魂を持っていかれて戻ってこれなかったです」とその衝撃を口にする。

それぞれ演じたキャラクターに関しても、霧慧トァンを演じた沢城さんは「履歴書があるようなキャラクターという印象がない! (人物像について)ひと言加えるというのが難しい」と声優陣が一様に感じているであろう思いを代弁!

御冷ミァハ役の上田さんは沢城さんの言葉に深くうなずきつつ「難しくて、どういう人? とつかめず、監督から言葉をいただきながら、ようやく見つけた」と振り返るが、なかむら監督は、上田さんのミァハ役への起用について、最初に声を聞いて「少しイッてるな…、壊れてるなと感じたから」と独特の表現で説明し、会場は笑いに包まれる。

3人の“対比”がキャスティングの上でも非常に重要になったというが、なかむら監督は、さらに零下堂キアン役の洲崎さんについても「普通だから」と説明。監督にとっては、その“普通さ”が、実はなかなかない貴重なものだったという意図だが、やや言葉足らずな説明に再び場内は爆笑に包まれる。沢城さんは「この場合、褒められてるから(笑)!」と何度も連呼して、上田さん、洲崎さんをフォローしていた。

改めて本作について上田さんは「伊藤先生から問題を投げかけられた。一生かけても答えを見つけられないかもしれないけど、向き合っていきたいし、新しい角度で命を考えることができました」とその重みをしみじみと語る。

洲崎さんは、本作が病にむしばまれた伊藤氏の遺作であることに触れ「病床の先生が、健康で病気がないことを“善”とする社会への疑問を投げかけた作品であり、生きてるって何? と価値観を揺さぶられる作品」と訴える。

アリアス監督は「先生に映画館で見ていただきたかったです」とその早逝を惜しんだ。

『ハーモニー』は公開中。

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《text:cinemacafe.net》

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