―初期の構想では、原作で言えばどの辺りまで存在したのですか?
壱号
もともとは三巻で終わることを前提に考えていました。物語が途中で終わるのは避けたいので……きちんと終わりを決められるようにです。編集部からも三巻を目処にやりましょうと言っていただいていたので。
ストーリーで言えばコンゴウ戦が終わるところです。一方で、もし人気が出て続くという事になった場合のことも考えて、その後の構想も一応、用意はしていたんです。
弐号
でも三巻を目処に、と考えていましたが実際には三巻、四巻と続き、アニメ化も決まりました。やれるところまでやろうと腹をくくったのは五巻目くらいです。
壱号
三巻というのはちょうど映画一本分くらいのサイズなんです。映画を作るつもりでやろうという気持ちでした。
―それは当初から映像化の目標を掲げて、ということですか?
壱号
意気込み的には映像化になっても恥ずかしくないものをと思ってはいました。
弐号
むしろアニメにできないものをマンガで作ろうという気持ちでいました。

―連載開始後、注目を集めましたが、その要因は何だと思われますか?
弐号
いろいろ考えましたが、今までにない“艦と女の子”の絵面を提供できたからかなと思っています。“艦の上に女の子がそのまま立っている”というアイデアは一番はじめに思いついていたんですが、すぐ捨てました。最初、これは扱いを間違えるとギャグになると思ったからです。
でもその後、いろいろな案を考えてみましたがうまく行かなくて、「もしかして」と思い返して一度捨てたアイデアを壱号に話しました。
壱号
弐号に「試しに描いてみてよ」って、言われました。
弐号
描いて貰ったら、よかったんですよね。それに女の子と戦艦のどちらもそのまま扱えるのは非常に魅力的でした。今までどこもやっていなかったので、それがよかったんだろうと思っています。
―先程、当初は映像化は考えてなかったとありましたが、アニメ化の話はいつ頃立ち上がったのでしょうか?
弐号
話が出て来たのは三巻が出る直前の2011年春ごろです。フライングドッグの南(健)プロデューサーから話をいただきました。
―アニメ化の話を聞いたときは、どうお感じになられましたか?
弐号
いいものを作ったと認めていただいたと言うことですから、うれしかったですね。最終的にはいくつかの会社さんからアニメの企画をいただいたんです。
そのなかから、艦をきちんと表現していただけるということから現在の企画になりました。サンジゲンさんでCGというのも理由のひとつです。
後編に続く
『劇場版 蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ‐ DC』
2015年1月31日公開
http://aokihagane.com/