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朴ろ美さんに訊く「∀ガンダム」ロラン・セアック、そして富野由悠季監督の出会い

『∀ガンダム』の主人公・ロラン・セアックの声優を担当した朴ろ美さん、その多才な声優ととしてキャリアの原点に富野監督の出会いがあった。今回、朴さんを取材し、その出会いを紹介する。

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■ 「富野監督にはオーラがある」

一方で、アフレコを進めるなかで、富野監督との楽しいエピソードも多かったようだ。『∀ガンダム』でロランのキャラクターを最初に大きく印象づけるシーンに、第1話『月に吠える』のラストシーンがある。地球にやってきたロランが月に向かって「みんな早く、地球に戻って来い!」と叫ぶところだ。朴さんの声の演技の素晴らしさも表れた場面だ。実はこのシーンは苦労した。
演技指導をする富野監督はスタジオのマイクの向こう側に立ち、朴さん向かって「もっと、もっと、もっと大きく、ここに向かって叫んで」と熱く叫び、あたかもそこに月があるかのように自ら全身でスタジオの天井の方を目一杯示したという。その姿をいまでも印象深く覚えているという。アフレコ現場で全力投球の監督の姿が伝わる話だ。

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また朴さんが、アフレコ収録の前にケガをした際のエピソードも印象深い。収録の直前で大きなケガしてしまった朴さんは、「それでもアフレコは大事」と無理をしてスタジオに赴いた。これに対して「富野監督に、『なぜ、出てきたんだ!』」といきなり怒鳴られました」と話してくれた。富野監督らしい思いやりの表現が感じられるエピソードだ。
そんな富野監督について朴さんは、「とにかく他にいない人。天才。オーラがある」と語る。その強烈な個性を受け止める。

インタビューに答えていただいた朴さんは、そんなエピソードを語りながら、様々に表情を変える。声優をはじめたばかりの頃、そして声優の仕事をきちんと考え出した頃は語る真剣な表情、楽しいエピソードを語る際は朗らかな表情、それは様々な役柄を演じ切る多才な声優“朴”を彷彿させる。

そんな朴さんにとって、『∀ガンダム』は一際思い出の深い作品のようだ。「『∀ガンダム』は、いろんな人に深く愛されている。私の周りもこの作品が大好き言う人が多い」と話す。
「話をしていてよく“黒歴史”という言葉がでてくるけれど、それは『∀ガンダム』の言葉だからと指摘したりします」と言う。いまでも『∀ガンダム』を身近に感じている。
最終回のアフレコの際には、ボロボロと泣いたとも。声優としてだけでなく、作品への思い入れもまた大きい。朴さんの声優としてのキャリアの原点に、『∀ガンダム』とロラン・セアックがいるに違いない。

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『∀ガンダム』公式サイト
http://www.turn-a-gundam.net/



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《数土直志》

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