「着る」ではなく、「なりきる」のが世界レベル!「世界コスプレチャンピオンシップ」レポート、優勝国はどこだ?
「世界コスプレチャンピオンシップ」は、8月2日から3日まで開催された「世界コスプレサミット」の一環で開催されたコスプレイヤーの世界大会です。
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今年は22日の国が参加し、各国の代表者が舞台でパフォーマンスを披露しました。コスプレの大会といえば、ファッションショーのように衣装のクオリティが問われると思われがちですが、この大会では演技・演出も大きなポイント。「着て楽しい」から「見て楽しい」というエンターテイメントのレベルにまで達しており、「着る」ではなく「なりきる」のが世界レベルだと思い知らされる内容でした。
また会場には、アーティストのまらしぃさん、fripSideさん、AKINO with bless4さんがスペシャルゲストとして訪れ、会場を盛り上げました。
まずルールの説明です。選手らは、大きさや重さなど規定の範囲内でコスチュームを自作。その上で、以下の点が評価されます。
■評価ポイント
・パフォーマンス(10点)
演出力、創作力、エンターテインメント性、修錬度
・コスチュームのステージ映え(5点)
衣装の出来栄え、原作キャラクターにどれだけ忠実か、衣装にどれだけアイデアが盛り込まれているか。制作された衣装がステージ上でどのように魅せられているか。
・原作への忠実度(5点)
パフォーマンス内容が原作のストーリー、キャラクター設定などにどれだけ忠実か。または原作をどれだけリスペクトしているか。
・衣装の精密度:40点
原作の衣装と比較して評価する。原作のものと完全に一致していれば最高40点、全く異なる場合は最低0点が与えられる。
・衣装の品質:40点
衣装がいかによく組み合わされているか、いかに正しく競技者に適合しているか、いかに綺麗に彩色・縫製されているか等の複数の要因を基準とする。
・技術:20点
最終得点が同点だった場合、ステージ審査の得点の高い順に順位が決められます。またステージ審査の得点も同じだった場合は、チャンピオンシップのステージ審査員の判断により順位を決定する。
評価のポイントにもなっている演出では、ライト・効果音・オブジェクト・小物などが使用でき、言語問わず台詞で喋る事も可能。それぞれ趣向を凝らした拘りの演出でした。
審査委員は、声優の古谷徹さん、声優のかないみかさん、イラストレーターの岸田メルさん、Cure管理人の乾たつみさん、WCS2013優勝者・イタリア代表のAndreaさん、ブシロード プロデューサーのドクター・オーさん、テレビ東京 名古屋支社長の東不可止氏です。それでは、各国のパフォーマンスをご紹介します。
◆香港
■選手名:Kanako Lui、Risa Kong
■作品名:デート・ア・ライブ
十香と折紙の対決を披露。最大の特徴は、大きな装備と迫力のアクションで、武器の換装も再現されていました。
◆イギリス
■選手名:Felixize、Emi
■作品名:ツバサクロニクル
本当に記憶を無くしたかのような表情と、軽やかな舞がサクラを表現。また衣装の切り替えでシャオランの心境を再現していました。
◆台湾
■選手名:究極、紅月凌
■作品名:宇宙の騎士テッカマンブレード
◆インドネシア
■選手名:Dharma / Guriinko、Ryan (Ryan no Ryu)
■作品名:鬼武者3
写真からも分かるように、衣装の質感などが素晴らしいです。しかも、これでキビキビと迫力のあるアクションを披露し、最後のにライトによる演出を隠し玉として披露し、会場を沸かせました。
◆フランス
■選手名:Kalimsshar、Ako
■作品名:ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス
◆イタリア
■選手名:NadiaSK / ナディアSK、MOGU / モグ
■作品名:カレイドスター
カレイドスターといえばサーカスのアニメですが、実際のサーカスで行われるパフォーマンスを実際に披露。2人の息のあった動きは必見でした。
◆デンマーク
■選手名:Shinji、Tiny
■作品名:カンタレラ-背徳ノ愛ト毒ノ果テ-
◆ロシア
■選手名:nek (neko-tin)、nichi
■作品名:ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス
操られているゼルダと、リンクのバトル演出は、目を離せないほど早く迫力満点。そのうえ、ちょくちょく笑いを取るネタを入れてるのがいい味を出しており、演出・衣装ともに高いクオリティでした。
◆スペイン
■選手名:Madoka / マドカ、Crispychicken / クリスピーチキン
■作品名:リボンの騎士
◆日本
■選手名:amini、媛次 あずま
■作品名:戦国BASARA4
◆中国
■選手名:Lu Hao、FeiNI
■作品名:モンスターハンター
基本的なストーリーが存在しないモンスターハンターですが、今回のパフォーマンスはかなりドラマチックな内容。モンスターは登場しませんでしたが、効果音とアクションでカバーしていました。
◆アメリカ
■選手名:Elrowiel、Pannon
■作品名:ギルティクラウン
◆ブラジル
■選手名:Bruno Pazzim、Tiago Diemer
■作品名:ギルティギア2
ソルとカイが別れるシーンを見事に再現。会話から戦闘に移る際に、戦闘開始のナレーションが差し込まれ、高い再現度でした。
◆ドイツ
■選手名:E-Chan、artflower
■作品名:カードキャプターさくら
アーシと出会い、倒すまでを再現。最後には、封印シーンがオブジェクトを使って演出されました。
◆シンガポール
■選手名:Jokumi 、Yin
■作品名:サクラ大戦
剣を使ったアクションもさることながら、後半には光武が登場。その姿はまさに「ねんどろいど」のそれで、最後の決めポーズもバッチりでした。
◆フィンドランド
■選手名:Hoothoot 、Ilona
■作品名:Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ
◆メキシコ
■選手名:Jaky Di Bondone 、Mina Ortolani
■作品名:猫の恩返し
もっとも印象的だったのが、ストーリーの構成。短い時間でも濃い内容になっており、オブジェクトや衣装も拘られていました。
◆韓国
■選手名:DangerousMan 、AZA
■作品名:ブレイブルー クロノファンタズマ
すごいと思ったのが、アクションの1つ1つが実際の技になっていること。もちろん必殺技も披露されました。
◆オーストラリア
■選手名:Mijiko 、Elro
■作品名:.hack//G.U.
◆タイ
■選手名:Mijiko 、Elro
■作品名:コードギアス 反逆のルルーシュ R2
◆マレーシア
■選手名:Fishii Takayuki Riyuu
■作品名:ファイアーエムブレム 覚醒
◆オランダ
■選手名:GirlWonder SedNobis
■作品名:ハウルの動く城
◆結果発表
どの国も、作品に対する愛がヒシヒシと伝わる演技を行い、優劣を決定するのが状況でしたが、結果は以下の通りとなりました。
■シペラス(ウィッグ得点)
・国:スペイン
・選手名:Madoka / マドカ、Crispychicken / クリスピーチキン
・作品名:リボンの騎士
■ドコモ(来場者投票)
・国:韓国
・選手名:DangerousMan 、AZA
・作品名:ブレイブルー クロノファンタズマ
■ジョイサウンド(音響得点)
・国:インドネシア
・選手名:Dharma / Guriinko、Ryan (Ryan no Ryu)
・作品名:鬼武者3
■ブラザー(衣装得点)
・国:デンマーク
・選手名:Shinji、Tiny
・作品名:カンタレラ-背徳ノ愛ト毒ノ果テ-
■ニコニコ(生放送投票)
・国:メキシコ
・選手名:Jaky Di Bondone 、Mina Ortolani
・作品名:猫の恩返し
■LIVE DAM(演技得点)
・国:イタリア
・選手名:NadiaSK / ナディアSK、MOGU / モグ
・作品名:カレイドスター
■総合3位
・国:インドネシア
・選手名:Dharma / Guriinko、Ryan (Ryan no Ryu)
・作品名:鬼武者3
■総合2位
・国:イタリア
・選手名:NadiaSK / ナディアSK、MOGU / モグ
・作品名:カレイドスター
■総合1位(外務大臣賞)
・国:ロシア
・選手名:nek (neko-tin)、nichi
・作品名:ゼルダの伝説 神々のトライフォース
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なお外務大臣賞は、国際関係の様々な分野で活躍し、我が国と諸外国との友好親善関係の増進に多大な貢献をしている中で、特に顕著な功績のあった個人および団体について、その功績を称える賞。それにコスプレが含まれていることは、非常に嬉しく思い、この文化は国や言語の壁すらも容易に超えてしまう存在なのだと実感しました。
《栗本 浩大》
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