完成披露試写会で「日本映画の歴史が変わる」とおっしゃっていたのが印象的でした。
―佐藤
エンタテイメント作品の中でも飛び抜けて、映像にパワーが溢れている作品だと思います。ハリウッドに近いけれど、ハリウッドのまねごとにはなっていない。これまでの日本映画以上にきちんと日本の美が入っていて、劇場に足を運んだ方にはこのエネルギーを感じていただけると思います。ソードアクションの面でいうと、ここまでリアルなものはできていあまり見たことがなかったんです。「お前どこを斬ってるんだよ」みたいな動きをよける演技で表現していたアクションを、アクション部のスタッフの皆さんが技術を集結させてよりリアルで、ちゃんと斬りにいっているソードアクションに仕上げてくれています。僕も共演したみなさんもアクションを頑張ったというのももちろんあります。
「日本映画の歴史を変える」という言葉は全く大げさではありません。革命的な作品だと思うので、好き嫌い、好みは全部置いといて、2014年にこんな映画が生まれたということで「とりあえず見とけ見るべき!」と言える映画になっています。
―AA
半年間の撮影の中、苦労したところは何でしたか?
―佐藤
アクションを撮影していてケガをしたり、俳優生命が終わることだって十分ありえます。それによって撮影が続行できないなんて事態は絶対に避けなければいけません。だから集中してやるしかない。そのモチベーションを半年間維持するのが大変でした。
―AA
その大変さを、どうやってのりきったのでしょうか。
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ただひたすら頑張るしかない、の一言に尽きます。でもやっぱり正直、本当につらかったしキツかったです。そういう時は「たくさんの人が楽しみに待っていてくれる」「続編に期待してくれている」と考えると「やってやろうじゃないか」自然と「最後まで頑張らなくちゃ」という気持ちになれましたね。
1人じゃない、共演者もスタッフも監督も頑張っている。運命共同体としての一体感は他の作品よりすごく強いし、一つの作品にかける覚悟、本気もものすごく強い。そんな気持ちにさせてくれるのは、たぶん“大友組”だからだと思います。
―AA
あまりに大変な撮影で、「伝説の最期編」のラストシーンを撮り終えた後、シャワールームで倒れたとか?
―佐藤
最後のほうは1週間ほど東宝のスタジオに泊まり込みで撮影したんです。志々雄真実との戦いを撮影した最終日は特に壮絶で、朝から撮影して次の日の昼に終了しました。晩まで本当に長い時間撮影していて、最後はみんなヒゲが生えてましたね(笑)。あの1週間は僕の25年の人生の中でも特別な一週間で、なんだかよくわからないけどとにかくアドレナリンが分泌されまくっていて。
クランクアップじゃないけれど「ひとまず、いけたね」と、そのシーンが終わって初めて大友監督と握手しました。実写化に当たって、自分の中で設定したハードルは一つ超えられたかなと達成感でいっぱいでした。
―AA
最後に、読者にメッセージをお願いします。
―佐藤
本当にゼロの状態で見て欲しいです。何も言いたくない、まっさらな気持ちで劇場で見て欲しいのが正直なところです。「るろ剣」ではマンガやアニメの非現実的なアクションを実写に落とし込んだらどうなるかが重大なテーマで、必殺技も実写にしたらこうかなと大人たちが必死に考え、そこがすごくかっこよく表現されています。色々なところに注目しながら見て欲しいです。
―AA
本日は、ありがとうございました!
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(C) 和月伸宏/集英社 (C) 2014「るろうに剣心 京都大火/伝説の最期」製作委員会