―このインタビューを読む方には『マクロスII』を知らない方もおられると思いますので、『マクロスII』を歴史的、時系列で並べたときにどういう作品かここで説明していただけたらなと思います。
平井伸一氏(以下平井)
最初の『超時空要塞マクロス』の時代設定は2009年、2010年の話ですよね。ミンメイが旅立ったのが2012年と言われています。『マクロスII』はそこから何十年も飛んで、2090年のお話になっています。
でも、劇中にマクロス艦は街のモニュメントになって出てくる。そういう形でつながっている世界観です。
高梨
『マクロス』というからには、マクロスを出すべきだろうということで出しました。基本的には背景ではありますが。
平井
僕が聞くのもと思いますが、マクロスが街のモニュメントになっているのは何か理由があるんですか?
高梨
使えないものになっているけど、すごく大切なものだからモニュメントとして取っておくだろうと考えました。80年経ってもきっと残して、置いてあるはずです。
―マクロスの歴史の流れでは、『マクロス』があって最後の『マクロスII』まで、そして『マクロス7』、『マクロスプラス』、『マクロスゼロ』、『マクロスF』とありますが、今後、この間をさらに埋めたり、『マクロスII』の2が出たりというのはありますか?
高梨
うーん。『マクロスII』を作り直したいという気持ちはあります。これは僕が思っていた、というくらいですけどね(笑)。
―そうした希望はあるみたいな。
高梨
そう、希望はあります(笑)。
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平井伸一氏
―平井さんはいま『マクロスII』を振り返って、マクロスシリーズのなかでの作品の意味づけは、どう考えられていますか?
平井
『マクロスII』のBlu-ray Boxを発売するなかで、公式宣言的に表明しています。是非、公式サイトで読んで欲しいです。
―「『マクロスII』は黒歴史でない」が話題を呼びました。
平井
高梨さんも携わっていただいた『マクロスプラス』、『マクロス7』、『マクロスゼロ』を経て、長く続くマクロスシリーズを振り返ってみると、『マクロスII』は非常に大きなターニングポイントであります。
さっきのお話も出たように、『マクロスII』で初めて『マクロス』というものが、三角関係などの三大要素があることが明確になった。さらに『超時空要塞マクロス』じゃない世界も描くことが出来る、ということを示した記念碑的な作品だなと思います。これはファンの皆さんも思ってくださっているはずです。
高梨
『マクロスII』があったからこそ次のシリーズが続いている。これは間違いないです。
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