主演に人気俳優のトム・クルーズさんを起用、原作は日本の桜坂洋さんと話題性もたっぷり。そんな本作がどの様に企画・製作されたのか、プロデューサーのアーウィン・ストフさんに、映画『オール・ユー・ニード・イズ・キル』の誕生について語っていただいた。
[取材・構成: 数土直志/Tadashi sudo]
『オール・ユー・ニード・イズ・キル』
/http://www.allyouneediskill.jp
全国公開中
■ どんな監督にとってもトム・クルーズは理想のキャステイング
―本作は、原作が日本の桜坂洋さんの小説であることでも話題を呼んでいます。ただ、映画企画がスタートした頃は、米国では必ずしも有名な作品ではなかったと思います。どういったきっかけで原作小説を知られたのでしょうか?
アーウィン・ストフ氏(以下E.S)
私の親しい友人に、ジェイソン・ホフがいます。VIZ Mediaという集英社と仕事をする会社で働いて、その彼が「ちょっと見てくれ」と送ってくれたのが『All You Need Is Kill』の小説だったんだ。
―読んでみた感想はどうでしたか?
E.S
とてもファンタステックで印象的な作品だった。設定が信じられないくらい創造的で、さらにいくつものとても興味深いアイディアが、とてもうまく組み合わせられていた。私はこれに、とてもイマジネーションを掻き立てられたんだ。
―その興味深い作品の企画・製作を進めるうえで、ダグ・ライマン監督を起用しようと思われたのはなぜでしょうか?ライマン監督は『Mr.& Mrs. スミス』や『ジャンパー』などのヒット作がありますね。
E.S
私はもともとそうしたダグの作品を大好きだったからね。彼はひとつのジャンルのなかで、キャラクターとドラマをとてもうまく描くことが出来る監督だ。
―キャステイングはどうですか。トム・クルーズの起用の決め手は何だったのでしょうか?
E.S
トム・クルーズは、どんなプロデューサーでもまず考える理想のキャストだよね。誰もが最初にトムを起用したいと考えて、企画を進めて、でもどこかで断念せざる得ない。ただ今回はとても珍しいケースになって、最初からトムでそれが最後まで続いたわけだ。
―ではリタ役のエミリー・ブラントについてはどうですか?
E.S
ある時、トムの家でダクも交えて打ち合わせをしていた。正直、誰が最初にエミリーの名前を挙げたか覚えていない。ただ、確実に言えるのは、エミリーの名前が挙がった後はもう議論する余地はなかった。彼女に決まりだ。
2日後には、今度はエミリーも交えてトムの家で再びミーティングをして、そのまま映画の製作は進んでいった。
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