[取材・構成: 細川洋平]
『ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース』
/ http://jojo-animation.com/
■ テストからクライマックス。熱量の引き算はしない
―アニメ!アニメ!(以下、AA)
今作は収録の時間が朝イチというお話を伺いました。
―小野大輔さん(以下、小野)
朝イチです(笑)。
―AA
朝からフルボリュームで臨まれているんですか?
―小野
そうなんです。収録の前の日は完全にお酒を断つようにしてます。最近はジョジョのためにほぼ断酒状態で。とにかく声をベストコンディションで出せるようにということを徹底しています。
―AA
すさまじい演技をされています。
―小野
みんなそうです。キャストさんはみんなテストから全く声量を引かないんです。全部本番という気持ちです。中途半端は絶対できないなと僕も覚悟してやっています。
―AA
音響監督の岩浪(美和)さんからのディレクションはどのようなかたちですか?
―小野
ダイナミックです!「困ったら原作見てください!」と「困ったら声張ってください!」は最初に言われています(笑)。
そして役者へのアプローチとして最良のワードを選んで、絶対にその熱量を冷まさないように録ってくれるんです。テストからクライマックスなので。
―AA
テストからクライマックスですか。
―小野
もちろん「ここの表現はこうしてほしい」といったことはあります。とにかく引き算はしないで、どんどん熱量を足して、冷めないうちに絶対に録りきる。
岩浪さんのディレクションはすごく早いんですよ。岩浪さんの回転の速さは、僕らの蓄えてきた熱量を出す時にすごくやりやすい。冷めないうちにしっかりとディレクションして録りきってくれる。信頼感はハンパないですね。
―AA
すばらしいアフレコ現場です。
―小野
細かいディレクションでは「ッ」を大事にとか、大きい「あ」は大きい「あ」で言ってくださいとか。「?じゃあない」の「あ」とか大事にしています。そして、笑いが絶えない、良い現場ですね。
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■ キャラクターに似た魂を持ったキャストたち
―AA
まさにそのコンビネーションを成立させることのできるキャスト陣とも言えます。
―小野
そうですね、キャストはすごくキャラクターに即した、というより似た「魂」を持った人たちがキャスティングされている気がしています。
三宅健太くんは熱い、すごく熱いです(笑)。石塚運昇さんも、「大きい声出したくない」て言うんですけれど自分が一番声出しているんですよ(笑)。ものすごく現場を引っ張っていってくれている。すごくジョセフっぽいです。平川大輔さんも小松くんも本当に似ているなと最近思っています。