大きな転機を迎えているゲーム業界で、今知っておくべきポイントとは
ヒューマンアカデミー、カプコン、イードが行ったゲームクリエイターセミナー「『逆転裁判5』クリエイターが語るゲーム作りの裏側」からレポート。第1回は新清士氏による講演。
ニュース
ゲーム
注目記事
-
2025年冬アニメ、一目惚れした男性キャラは? 3位「SAKAMOTO DAYS」坂本太郎、2位「薬屋のひとりごと」壬氏、1位は…
-
ゲーム業界マンガ「大東京トイボックス」が最終回 新刊は9月24日発売、さらにドラマ化
-
日岡なつみ、倉持若菜ら声優とプロデューサーが研修生の疑問に一問一答! 声優に求められる能力とは?座談会インタビュー【PR】

1962年の最新型コンピュータは1台で10億ともいわれました。ビデオカードという概念が生まれた1999年の超ハイエンドPCは、2009年に登場したiPhone 3GSとほぼ同等の性能です。かつて数十億、数百万円だったものが数万円で手に入るほどのハイペースで性能は跳ね上がりました。「ムーアの法則」でいわれるように、大雑把にいえば約2年でコンピュータの性能は2倍になり、スマートフォンでは毎年のように性能がアップし続けています。例えば2011年のiPhone 4sはPlayStation Vitaと同等、iPhone 5sではついにPlayStation 3と変わらない性能になりました。もう現時点ですら、そこそこのゲームを遊ぶならiPhone 4sでも十分といえるでしょう。
スーパーコンピュータは、10年で10万円台のパソコンと同じ性能になっています。今、一般的に普及しているスマートフォンは過去に1機数億円するようなスーパーコンピュータと同程度のもので、2012年に完成したスーパーコンピュータ「京」は、2022年には10万円台で手に入るパソコンとそう変わりません。さらに5~6年もすればスマートフォンに搭載されます。このように、ユーザーのもつコンピュータ環境はどんどん性能が上がっていきます。
こうした環境がゲームに登場した例として、ソニーが来年にアメリカでサービス開始を決定しているクラウドコンピューティング「Gaikai」があります。これはコンピュータのサーバをどこかに設置し、データを転送するというデバイスです。これにより、ディスクなし、ダウンロードもせずストリーミングでコントロールできるゲームを楽しめるようになります。コンピュータの性能が上がったことで、こうした未来があと1~2年で訪れるようになりました。
もう1つ、過剰ともいえる性能を備えたスマートフォンの次として考えられているのが「Google Glass」「Oculus Rift」など、ウェアラブルコンピュータという概念です。すでに海外ではこうした機器向けのゲーム制作に動き出しており、これまで平たいモニター上でしかなかったゲームに奥行きが生まれました。新しいハードウェアデバイスが登場すると、必ずコンピュータゲームの世界は大きく変わります。最新テクノロジーが誕生すると、それを活用してゲームを遊ぶようになるからです。
■ 世界と渡り合える、日本としての強みとは?
新しいデバイスが生まれると、まだ見つかっていない、隠れたサービスやゲームの発想が必ず存在します。ここに新しい人たちの知識や考え方、ゲームデザインの方法が必要で、ゲーム業界ではこうした若い感性を伸ばせる可能性があります。
日本には、世界と渡り合える2つの強みがあります。1つは、オリジナルキャラクターを作れること。世界中を見てもオリジナルキャラクターを作って育てられる国はそう多くありません。もう1つは、日本人はオリジナルのアイデアを広げていくのが得意です。「アイデアベースのゲームデザイン」などと呼ばれますが、これは日本人特有の考え方です。何か1つのアイデアを考え、新しいゲームへ落とし込んでいく。もともとあるアイデアを、よりブラッシュアップさせて広げられるんです。ゲームをたくさん遊んで、突き詰めていければ「新しい何か」を生み出す力になります。
《animeanime》
特集
この記事の写真
/