ASIA-EU CARTOON CONNECTION レポート 第3回  日本のプロデューサーの初参加 | アニメ!アニメ!

ASIA-EU CARTOON CONNECTION レポート 第3回  日本のプロデューサーの初参加

韓国はカートゥーン・コネクションに、前回からシンガポール、マレーシア、タイなどアジアから参加者を迎え入れた。今年は日本のプロデューサー5名が加わった。

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日本のプロデューサーの初参加:
ASIA-EU CARTOON CONNECTION 
2013 レポート 第3回


取材・文: 伊藤裕美(オフィスH)

■ 日本のプロデューサーの初参加

韓国はカートゥーン・コネクションに、前回からシンガポール、マレーシア、タイなどアジアから参加者を迎え入れた。今年は日本のプロデューサー5名が加わった。
セガトイズの海外事業部長の杉本道俊 上席執行役員はプレゼンテーションの発表者として招かれ、カナダの玩具メーカーSpin Master(スピン・マスター)、番販・ライセンス事業者Nelvana(ネルヴァナ)、アニメ専門チャンネルCartoon Network(カートゥーン ネットワーク)と組み、全世界で大ヒットさせた「爆丸」を例に引いて、“トイニメーション”を紹介した。企画開発の早い段階から玩具やゲームなどの二次利用を組み込んだ成功例は注目を引いた。とりわけアジアの参加者は熱心で、帰国早々の杉本氏には韓国とマレーシアからオリジナル企画の玩具化の問い合わせが数件来ている。杉本氏は「韓国はトイの文化が日本と似ているので、トイ企画はやりやすい」と言う。

フランスでは、マンガ、オンラインゲームのオリジナルコンテンツをTVシリーズと長編アニメーションへ展開し成功させた、ゲーム開発会社Ankama(アンカマ)が注目を集める。
カートゥーンはゲームとアニメーションの親和性と業界ニーズを受け、昨年からカートゥーン・ムーヴィにゲームのセッションを加えた。日本のアニメ制作会社と玩具メーカーには、その経験を欧州人が重視するストーリーテリングと連動できれば、米国に匹敵する市場を有す欧州という、新たなビジネスチャンスがあるだろう。

日本のプロデューサーは、アミューズソフトエンタテインメントの企画部製作グループ プロデューサーの青木基晃氏、IDAのビジネスディベロロップメント ディレクター兼アメリカ支局代表 朽網泰匡氏、プロクシーモ(http://proximo.jp/)代表の磯崎太一氏、Wizanimaの国際ビジネス開発プロデューサー ビル・ミラー氏(International Business Development, Producer)がカートゥーンのデビューを果たした。

カートゥーン・コネクションは個別面談で最高潮になる。今回は105社が面談を希望し、一対一で1200組を超す面談を3日間繰り広げた。事務局は事前に希望相手を聴き、1社最大27社と面談できるように組み合わせた。面談は各20分(1社10分)で、時間を知らせるチン(韓国の伝統楽器の銅鑼)の合図で次ぎの相手に変わる。
オリジナルの新しい企画を対アジア、対EUに拡大したいという制作プロデューサーが大半を占め、短い時間で自社の紹介から企画提案まで相手の理解を得ようと、和やかながらも、積極的な会話が交わされる。日本の4名は、自社売り込みと相手の評価に各自工夫を凝らした。

IDAはカリフォルニアに制作とセールスの拠点を持ち、朽網氏はEU・韓国の市場動向を探るほか、自社企画のパートナー探しと既存作品の販売先を探した。
プロクシーモの磯崎氏は韓国政府機関での勤務経験を背景に韓国企業とビジネス関係を既に持っており、EUのプロデューサーとネットワークを広げることとオリジナル企画の共同製作パートナー探しを目的に参加した。
海外コンテンツのDVD販売を手掛けるアミューズソフトエンタテインメントの青木氏は、日本のアニメーション作家の海外コラボレーションのパートナー探しと海外企画の動向調査をおこなった。日本のプロデューサーには面談希望が多く、枠を超える申し込みがあったそうだ。
各氏は、個別面談と、コーヒーブレークや夕食会での交流に満足し、所期の目的を達成したと、カートゥーン・コネクションのあり方を高く評価し、来年も参加したいと口を揃える。

セガトイズ /http://www.segatoys.co.jp/
アミューズソフトエンタテインメント /http://www.amuse-s-e.co.jp
IDA /http://www.ida-entertainment.com/
プロクシーモ /http://proximo.jp/
Wizanima /http://wizanima.com/

《animeanime》

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