『映画「紙兎ロペ」つか、夏休みラスイチってマジっすか!?』　内山勇士監督インタビュー　後編

■　制作には100人以上が参加

―――アニメ！アニメ！（以下ＡＡ）
「背景がすごくリアルです。あれはCGなのですか？写真の様にも見えます。」

――――　内山勇士監督（以下内山）
「あれは写真を上からトレースしています。背景や建物は下町風ですが、部分的にちょっと近代的だなというところは、別の建物をはめ込んで合成したり、と結構細かい作業がありました。
写真に人が写り込んだりしたときも消す作業をやっています。背景1枚の制作だけで本当に2週間とかかかっちゃった。背景を担当してくれた人は実際50人以上です。」

――――　ＡＡ
「映画全体ではどのくらいの人が参加されたことになりますか？」

――――　内山　
「100人以上ですね。」

――――　ＡＡ
「期間はどのくらいですか？」

――――　内山　
「期間は脚本から合わせると丸1年はかかっていますね。お話を考えるのだけで半年ぐらいかかっちゃった感じです。」

――――　ＡＡ
「あまり作品の背景になっている時代みたいなものに触れられてないのですけれど、これは現代なのでしょうか？もうちょっと前ぐらいの気もします。」

――――　内山　
「実は現代です。普通に携帯とか現代にしかないものとかがあります。
ただ下町の昔ながらテイストは守りたいと思っています。」

■　いまは短編を大量に作り始めています

――――　ＡＡ
「今回は初の長編ですが、長編のよさはどういったところでしょうか？」

――――　内山　
「キャラクターをすごく濃く見せられるということです。短編だと立ち話をして、ちょっと手足が動くぐらいで終わりになります。今回はキャラクターがいろいろな場所に移動しますし、動きの面でも、今までは引きだけで見せていたキャラにすごく寄ったり、じっくり朝から夜まで。そういうキャラクターを深くを見てもらえるのは長編ならではだと思いますね。」

――――　ＡＡ
「映画のためにキャラクターを膨らませた感じでしょうか？最初からあったものが、いよいよ紹介できるみたいな感じなのでしょうか？」

――――　内山　
「書いていくうちにキャラクターがどんどん固まっていったという感じです。同時に進行していったという感じですね。」

――――　ＡＡ
「今回長編になったということで、ひとつ成し遂げたみたいなこともあります。キャラクターとしては、まだまだ続くのかなと思います。これからもまだ続きますか。」

――――　内山　
「いま実は短編を大量に作り始めています。まだ途中ですけれど。
この長編であらためて、短編でもっと出来るなということが見つかりました。勉強になった部分が多かったので、また短い尺で面白いものが作れそうだなと。それでいま本当にたくさん短編を作っているところです。」

――――　ＡＡ
「今回成長したキャラクターが、また短編にフィードバックしていきますか？」

――――　内山　
「そこが一番大きい部分かもしれないですね。いまネタを書いていても、きっとこれは言わないだろうなとかあります。前は自分の中にアキラとロペがいたんですけど、いまは横にいて、俺はこう言わないよみたいな距離感でネタが書けます。長編をやったおかげだと思いますので、すごく勉強になりました。」

――――　ＡＡ
「劇場で観られたかたも多いのですが、実はまだここが見どころという場所がありましたら教えてください。」

――――　内山　
「サブキャラがものすごく増えたところです。変な動きをしていたりします。ゲストの方にもたくさん出ていただいています。LiLiCoさんに占いのぶっ飛んだキャラをやってもらったり、ジョージ・ウィリアムズさんにも外国人なまりで演じるむちゃくちゃなお願いをしています。そういうキャラクターたちをぜひ見ていただきたいなと思います。」

――――　ＡＡ
「ありがとうございました。DVDでは、是非、注目させていただきます。」

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『紙兎ロペ』
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