今期話題の『となりの怪物くん』の特別試写会が京都の立命館大学で開催 その1
TVアニメ『となりの怪物くん』の試写会、クリエイタートークショウが10月4日、京都の立命館大学充光館で行われた。『となりの怪物くん』プロデューサーの横山朱子氏と、同作品の宣伝プロデューサーである黒崎静佳氏が登壇し、トークショウをおこなった。
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冒頭で第一話が放映された。中規模映画館と変わらない大きさのスクリーンサイズであるのにも関わらず、精緻に書き込まれたキャラクターと、ビビッドな映像表現が映え、テレビ画面での体験とはまた違った印象を受けた。
その後、『となりの怪物くん』プロデューサーの横山朱子氏と、同作品の宣伝プロデューサーである黒崎静佳氏が登壇し、トークショウをおこなった。
まず最初に語られたのが『となりの怪物くん』アニメ化のきっかけ。これについては、「偶然本屋で手にとったのがはじまり」と横山氏。ろびこ氏による、繊細且つ華やかで、みずみずしいキャラクターに思わずジャケ買いをしてしまったとのこと。不器用で素直。そして絶対に嘘をつかない登場人物たちに惹かれ、アニメ化を進めるべく、「『夏目友人帳』や「デュラララ!!」など、複数の作品を一緒に制作してきたブレインズ・ベースの佐藤由美プロデューサーと協力し、実現するにいたった」と横山氏は言う。
このような本屋でのジャケ買いといった何気ないところから、アニメ化へと拡がる場合もあるという事実には、観客も驚きを隠せないようだった。
■ テンポの良さやビビットなカラーを用い原作との差別化を図る
なお、「アニメと原作との差別化」について、横山氏は、「動画ならではのテンポ感とビビッドなビジュアルイメージ」と答え、「激しいストーリー展開がある作品ではないので、スピーディーに色々なシーンを見せている」と『となりの怪物くん』独自の事情を説明。「独特なテンポ感に加え、コミック特有の細かいコメディシーンも丁寧に描写している」と横山氏。
また、「水彩画のようなイメージではなく全体的にビビッドな色彩イメージになっていて、テンポの良い展開をより強く印象づけられたと思う」と作品における色づかいと物語展開の関係性を示唆した。同時に重視したのが、「生の演技」。深夜アニメでは多用されている「萌え系」のイメージというよりは、実写に近い感じの演技を押し出したのだ。
一方、「アニメを展開していくうえで、どのようなターゲットを考えたのか」という質問に対し、黒崎静佳宣伝プロデューサーは「『となりの怪物くん』はこれまで10代後半から20代の女性に読まれてきたので原作ファンにまず見てもらいたいのですが、女性キャラクターがとても可愛く描かれている事や、ストーリー自体が男性でもとっつきやすい作品だと感じ、20代男性層にも喜んでもらえると実感した」と作品としての手応えを示したうえで、「通常のアニメ雑誌の記事に加え、女性キャストを加えた取材なども行った」とターゲット層拡大についての施策を述べた。
ライトユーザーの取り込み方としては、「コアなユーザは能動的に情報を見つけるのに対し、ライトユーザーは受け身。従って、Twitterの活用や、登場人物ブログなど、無料でアクセス出来る媒体を有効に活用していくことが鍵なのでは」と自らの経験に基づいた分析をおこなった。
今回の試写会も4割以上が男性を占め、原作を既に読んでいた観客も5割弱に留まっていたため、これまで黒崎プロデューサーがおこなってきた施策はある程度の効果を発揮していたと言えるだろう。
/その2に続く
《animeanime》
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