広島国際アニメーションフェスティバル 2000作品を超える応募と充実のプログラム
8月23日から27日まで、第14回広島国際アニメーションフェスティバルが開催された。今回はコンペティションへの応募作品数が2110本と、初めて2000作品を超えた。中から66作品が最終選考に進んでいた。
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アカデミー賞にも公認されている映画祭でもあるも特長のひとつ。グランプリ受賞作品はアカデミー賞のノミネート対象となる。今回はコンペティションへの応募作品数が2110本と、初めて2000作品を超えた。中から66作品が最終選考に進んでいた。
初日23日の晩の開会式で広島市長の松井一實さんは、開会にあたり「いずれも独創的で素晴らしく皆様の関心を呼ぶものになっている」とコンペの本選にノミネートされた作品について述べた。また昨年の東日本大震災にも触れ、広島が被曝から復興したことを実例に「希望の日が灯ることを願っています」とエールを送った。
また今大会の国際名誉会長に就任したアードマンのピーター・ロードさんは「日本の新しい文化としてアニメが出てきて多くの人々から賞賛されてきた」ことを踏まえる一方、先の市長の開会宣言を念頭に「この悲しい悲劇を乗り越えてきた雰囲気がある。そうした広島の文化から映画祭が生まれたと思っています」と語った。
そしてフェスティバルディレクターの木下小夜子さんは、今回は南半球でも特にアフリカから多く作品が寄せられたことに対し「地球が丸くなってきた。未来が明るくなってきた。凄く嬉しい大会」とコメントした。
その一方で木下さんは北の国であるノルウェーを特集したプログラムなどを挙げ「プログラムを全部見たならレポートで博士号が取れる」と、その充実ぶりに自信を示した。
このほか短編がメインの当フェスティバルでありながら、今回は長編の特別上映が充実していることや、ASIFA-JAPANの30周年記念で裏方で実際にそのスタッフも働いていることなどにもふれた。
上映作品のなかでも長編ではアードマンの『ザ・パイレーツ!バンド・オブ・ミスフィッツ』がジャパンプレミアとなったことも特筆すべき点だろう。ASIFA-JAPANの30周年記念では、今年ザグレブで功労賞を受賞した久里洋二さん、前回大会の後に逝去した川本喜八郎さんや昨年逝去した相原信洋さんらの関連上映や展示なども行われていた。
ノミネートされて本審査に臨んでいた66作品のうち、日本人の作品は7作品だった。フランス資本で制作の『グレートラビット』(和田淳)から『灯花』(助川勇太)、『マイブリッジの糸』(山村浩二)、『rain town』(石田祐康)、『SPONCHOI Pispochoi』(pecoraped)、『ヨナルレ Moment to Moment』(中田彩郁・サキタニユウキ)、『布団』(水尻自子)である。
地元の広島としても歓迎されたのは、『SPONCHOI Pispochoi』のpecoraped(杉殿育恵さんと西尾都さん)が広島市立大学の出身であるということでもある。
一方、企業や作家が持ち込みで上映やセミナーを開催するフレームインやネクサスポイントでは、コミックス・ウェーブ・フィルムの『この男子、宇宙人と戦えます。』と『旅するぬいぐるみ』なども上映されていた。 『この男子、宇宙人と戦えます。』を監督した山本蒼美さんも広島在住で、各大学が出展しているエデュケーショナル・フィルム・マーケットでは出身校の比治山大学がプロモーションに一役買っていた。
[真狩祐志]
広島国際アニメーションフェスティバル
/http://hiroanim.org/
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