ベルギーでのプレミアの後は同日にパリ・プレミアを開催、そして翌23日にはロンドン・プレミアとヨーロップ主要3都市で映画公開を祝った。この3都市のプレミアにはいずれも監督のスティーヴン・スピルバーグが出席した。世界的な人気コミックの3D(立体視)フルCGアニメーション化、というビッグプロジェクトへの意気込みをみせた。
ワールドプレミアの地に、ベルギーが選ばれたのには訳がある。原作となった「タンタンの冒険」シリーズの作者エルジェの母国だからだ。大作映画のワールドプレミアとなったことから、ベルギーはこの映画版「タンタン」を大歓迎、市内中にはタンタンのポスターが貼られた。ワールドプレミアには、スピルバーグ監督、タンタン役の声優を演じたジェイミー・ベル、そしてベルギー王室のアストリッド王女らも参加した。 また、スピルバーグ監督らのブラッセルとパリの移動には、タンタン仕様の特別列車が登場するなど、映画を盛り上げた。
記者会見でスピルバーグは、「この映画をタンタンの発祥地であるベルギーで最初に披露することができることに誇りを感じている。新しいテクノロジーを駆使してこれを実現することができた。観客には素直に観て喜んでもらいたいね」と語った。
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「タンタンの冒険」シリーズは、1929年にベルギーのエルジュが子供向けの新聞に連載を開始したのが初登場となる。少年新聞記者のタンタンが世界各地に赴き様々な冒険に出会う。全24冊の原作の総発行部数はこれまで2億3000万部を超えるという世界的ベストセラーだ。その独特のヘアースタイルのタンタンとスノーウィは、世界的によく知られたキャラクターでもある。
スピルバーグ監督は、シリーズの大ファンだという。そしてタンタンの映画化は、スピルバーグ監督の夢でもあった。「レイダース」シリーズや『E.T.』、『ジュラシック・パーク』などのヒットメーカーがどの様にこの原作を料理したのか、映画ファンであれば見逃せないだろう。
『タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密』
12月1日全国ロードショー
/http://www.tintin-movie.jp
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[出演]
ジェイミー・ベル、アンディ・サーキス、ダニエル・クレイグ、サイモン・ペッグ、ニック・フロスト
監督: スティーヴン・スピルバーグ
製作: スティーヴン・スピルバーグ、ピーター・ジャクソン
脚本: スティーヴン・モファット、エドガー・ライト、ジョー・コーニッシュ
原案: 「タンタンの冒険」作/エルジェ(福音館書店刊)
オリジナル・サウンドトラック:ソニー・ミュージックジャパン
ジュニア・ノベル:角川書店刊