S・ジョブズ氏逝去 ピクサー経営も支え、CGアニメに貢献
スティーブ・ジョブズ氏は、アップルとその製品・サービスでの実績で語られることが多い。しかし、世界のアニメーション業界にとっても果たした役割は大きい。
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ジョブズ氏は、1976年にスティーブ・ウォズニアック氏と伴にアップルを設立。個人用コンピュター・マッキントッシュを開発・発売、世に送り出しセンセーションを巻き起こした。
1985年に経営不振を理由に退職に追い込まれたが、1996年に復帰した。その後は、コア事業を音楽配信機器のiPod、マルチメディアコンテンツのデバイスとなるiPodを開発し、再び世界の注目を浴びた。インターネット上のコンテンツ配信で圧倒的な地位を築き、アップルを世界で最もパワフルな企業に育て上げた。その実績からカリスマ的な人気を誇っており、その死は多くの人に衝撃を与えている。
スティーブ・ジョブズ氏は、アップルとその製品・サービスでの実績で語られることが多い。しかし、世界のアニメーション業界にとっても果たした役割は大きい。
1985年に一旦、アップルを離れたジョブズ氏は、当時はベンチャー企業であったCGアニメーション制作会社のピクサー・アニメーション・スタジオに多額の投資を行った。長年赤字経営が続きであったスタジオを支え続けた。その後、ピクサーがCGアニメーションの新しい世界を切り拓いたことを考えれば、ジョブズ氏がいなければ今のアニメーション業界はなかったと言えるだろう。
ピクサーは、当時は技術的にもコスト的にもハードルが高いとされたフルCGの長編アニメーション映画『トイ・ストーリー』を制作、1995年に大ヒットさせる。『トイ・ストーリー』の大ヒットがその後の数々のピクサーの名作を生み出し、同社をアニメーション業界のリーディングカンパニーに引き上げる。さらにいくつもの会社がフルCGアニメーション映画に乗り出すことになる。1995年末にピクサーは株式上場を行い、その時点でジョブズ氏は同社株の80%を保有していた。
さらに2006年のディズニーによるピクサーの買収でもジョブズ氏はピクサーの最大株主として大きな役割を果し、世界の2大アニメーションスタジオを結びつけた。ディズニーによるピクサー買収後は、ディズニーの最大の個人株主となっていた。
《animeanime》