カンヌ映画祭公式出品「TATSUMI」劇画の父 辰巳ヨシヒロテーマに
ある視点部門にも、日本と関わりの深い作品が選出された。シンガポール出身のエリック・クー監督による『TATSUMI』である。
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その公式出品はパルムドールを競うコンペティション部門、より若い作家に目を向けるある視点、それにオープニング映画やコンペティションのない公式上映などからなる。このうちコンペティション部門には19作品が選ばれ、日本からも河瀬直美監督の『朱花の月』、三池崇史監督の『一命』の2作品が選出された。映画祭での活躍が期待されるところだ。
一方、ある視点部門にも、日本と関わりの深い作品が選出された。シンガポール出身のエリック・クー監督による『TATSUMI』である。本作はそのタイトルが内容を一部反映する様に、日本のマンガ家辰巳ヨシヒロさんを描いたものだ。辰巳ヨシヒロさんの自伝的マンガである『劇画漂流』にインスパイアされたクー監督が、「劇画」の父と呼ばれる辰巳ヨシヒロさんの半生をアニメーション映画とした。
作品はシンガポールとインドネシアの共同製作、配給はドイツのMatch Factoryが行う。そして海外映画にもかかわらず、声優には別所哲也さんら日本から起用し日本語映画になっている。アニメーションの公式出品自体も珍しいが、日本も含めたこうした枠組みもかなりユニークだ。日本に関するコンテンツの国際展開を考えるうえでも、興味深いものと言えるだろう。
エリック・クー監督はシンガポール生まれ、オーストラリアの学校で映画製作を学んだ。95年の長編映画『Mee Pok Man』がベネチア映画祭、ベルリン映画祭で上映され注目を集めたのが、国際的な評価のきっかけである。
97年の『12 Stories』がカンヌ上映、2008年の『My Magic』ではコンペティション部門に公式出品、カンヌ映画祭の常連となっている。東南アジア地域を代表する監督である。
一方、辰巳ヨシヒロさんは1950年代よりマンガ家として活躍する。劇画工房により新しいマンガスタイル「劇画」を生み出した。2000年代になり欧米地域で評価を高め、現在、日本を代表するマンガ家とみなされている。国内でも『劇画漂流』で、第13 回手塚治虫文化賞大賞を受賞している。
カンヌ映画祭(The official Festival de Cannes)
(日本語) /http://www.festival-cannes.com/jp/homepage.html
Match Factoryの映画紹介
/http://www.the-match-factory.com//http://www.the-match-factory.com/films/items/tatsumi.html
《animeanime》