SKIPシティ国際Dシネマ映画祭は、埼玉県川口市のSKIPシティにて2004年から開催されている。村田氏は2005年の第2回にも『朱の路』でノミネートされていたことがあるが、その際は惜しくも受賞を逃していた。
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家族デッキ/Family Deck
これまで短編部門ではアニメーション作品の受賞が少なからず見られ、2006年の第3回は岸本真太郎氏の『tough guy!2005』と栗田やすお氏の『緑玉紳士』、2007年の第4回は鈴木専氏の『レッツゴー番長デッドオアアライブ完全版』とあかね丸の『あかね雲-初恋-』が受賞している。そして昨年は中田秀人氏の『電信柱エレミの恋』が受賞している。
村田氏が今回受賞した『家族デッキ』は、栗田氏の『緑玉紳士』や中田氏の『電信柱エレミの恋』と同様にコマ撮りで制作されている。村田氏はコマ撮りの作品で知られているが、表現手法は実写や2Dなどにも幅広く取り組んでいる。近年は個展の開催にも意欲的で、昨年は東京国際アニメフェア2009にもブース出展していた。
このほか短編部門は最優秀作品賞に壇拓磨監督の『隣人ルサンチマン』、村田氏と同じく奨励賞に草刈勲監督の『ゴリラの嘘』となった。
一方、長編部門では最優秀作品賞にジョルジョ・ディリッティ監督の『やがて来たる者』、監督賞に『透析』のリウ・ジエ監督、脚本賞に『鉄屑と海と子どもたち』のラルストン・G・ホベル監督とヘンリー・C・ブルゴス氏、審査員特別賞にナデール・T・ホマユン監督の『テヘラン』、SKIPシティアワードに完山京洪監督の『seesaw』が選ばれた。
【真狩祐志】
SKIPシティ国際Dシネマ映画祭 /http://www.skipcity-dcf.jp/
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