桜坂洋のSF小説 ワーナーが映画化権獲得と報道
日本のSF作家桜坂洋さんの代表作『All You Need Is Kill』がハリウッドにて映画化される可能性が出てきた。米国のエンタテイメント情報サイトDeadline.comは、4月5日付で米国の大手映画会社ワーナー・ブラザースが『All You Need Is Kill』を基にした
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映画化企画のきっかけは、昨年の秋に始まったという。英語版の翻訳出版を手がけるVIZメディアが、ハーパーさんに脚本を依頼し、その成果が今回の取引につながった。
桜坂洋さんは1970年生まれ、2003年に『よくわかる現代魔法』でデビューした。同作は2009年夏にノーマッドの手でテレビアニメ化されている。
今回映画化権販売となった『All You Need Is Kill』は、2004年に集英社より発売されている。それほど遠くない未来。死と隣り合わせの戦場で、少年兵キリヤとクレイジーな女准尉リタが出会うところから物語が始まる。ロボットSFのテイストを持ったバトル・アクションが流麗な文体で表現される。
『All You Need Is Kill』の英語翻訳版を北米で出版するVIZメディアは、小学館グループ、集英社が共同出資する日本マンガ・アニメの発売・流通の大手である。『All You Need Is Kill』は、同社が2009年に設立した出版レーベル「ハイカソル:HAIKASORU」の第1弾として発売された。ハイカソルは海外ではほとんど出版されていない日本の良質のSF小説を紹介するべく立ち上げられた。
ハイカソルレーベルの出版部数は明らかになっていないが、翻訳SF小説は『NARUTO』や『DEATH NOTE』など数多くの人気マンガ、アニメなどを扱うVIZメディアの中で主力部門とは言えないはずだ。しかし、作品が英語に翻訳されることで、今回のようなビジネスにつながった。
一方で、VIZメディアは、近年、アニメ、マンガ、そのライセンス管理に加えて、映画関連事業の進出意欲を強めている。2008年には、同社が権利を持つ作品の実写映画化を目的に、VIZプロダクション(VIZ Productions)がハリウッドに設立されている。今回の案件もそうしたVIZメディアの新たな動きと結びついているとみられる。
近年、日本のアニメやマンガのハリウッドでの実写映画化企画が数多く取沙汰されている。その実現の可能性はそのケースごとに異なるが、日本のアニメ・マンガの主要な作品の実写映画化権(翻案権)は、既にかなりの部分が売却済とされている。
一方で、国内ではマンガと共に若い世代に向けた小説が、映画化やアニメ化のための原作となっている。海外に紹介されなかったゆえに、その多くは海外での映画化とは無縁だった。『All You Need Is Kill』の映画化権の販売により、今後は日本のSF小説の原作としての価値により注目が集める可能性もある。
現在ハイカソルレーベルでは、『時砂の王』(小川一水著)、『太陽の簒奪者』(野尻抱介著)と『ZOO』(乙一著))、『戦闘妖精雪風』(神林長平著)、『英雄の書』(宮部みゆき著)、『戦闘妖精雪風』(神林長平著)、『アイの物語』(山本弘著)といった作品が発売されている。
Deadline.com
/Warners Makes 7-Figure Spec Deal For Japanese Novel 'All You Need Is Kill'
『All You Need Is Kill』 /http://dash.shueisha.co.jp/-allyou/index.html
VIZメディア /http://www.viz.com/
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