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『よなよなペンギン』の原作を手掛け、そして国境を越えた制作を監督したのが日本のアニメ史に大きな足跡を残す りんたろう監督である。1979年の映画『銀河鉄道999』から『幻魔大戦』、『メトロポリス』と次々に話題作を生み出し、国内だけでなく、海外でもその名前を知られている。『よなよなペンギン』は、そうした監督の野心作でもある。
その映画公開に合わせて、この12月にキネマ旬報社より『プラスマッドハウス④ りんたろう』が発売される。やや意外なことだが、この書籍はりん監督にフォーカスした初の個人本だ。
「プラスマッドハウス」のシリーズは、マッドハウスに縁の深いアニメ監督を徹底的に掘り下げる人気書籍シリーズである。マッドハウスの全面協力のもと、これまでに今 敏監督、細田守監督、川尻善昭監督が取上げられている。その数は決して多くないが、内容の充実度には定評がある。
今回の構成編集は、『プラスマッドハウス③川尻善昭』で究極の川尻本を実現したスタジオ雄が引き続き行っている。遂に登場した巨匠りんたろう監督、その過去40年間のアニメ史を代表する監督の作品と映像の魅力を余すことなく伝えることになりそうだ。
気になる内容は、本書のため新たに録り下した10数時間にわたる監督への超ロングインタビュー、りん監督を誰よりも近くで見続けてきた杉井ギザブローさんによる「りんたろうは、映画をデザインする」、『幻魔大戦』の監督にりんたろうを抜擢した角川春樹さんへのインタビューなど。川尻善昭監督や細田守監督、りんたろう作品を支えてきたスタッフたちも、りんたろうイズムを語る。
「りんたろう 完全フィルモグラフィー」では、これまでの全ての仕事を詳細、かつ正確にデータベース化する。さらにCLAMPや結城信輝さん、野田卓雄さんほかによる応援イラスト、声優 小山茉美さん、池田昌子さんからの寄稿など見所満載である。
書籍は208ページとかなりのボリュームとなる。価格は税込み2310円、12月中旬発売予定だが、amazon.comなどでは予約販売を開始している。
『プラスマッドハウス④ りんたろう』
発行: キネマ旬報社
構成編集: スタジオ雄
協力: マッドハウス
体裁: A5版書籍/全208ページ(カラー&モノクロ)
発売予定日: 2009年12月中旬
定価: 税込み2310円(本体2200円)
/PLUS MADHOUSE(プラス マッドハウス) 2 川尻善昭 (プラスマッドハウス 2)
/PLUS MADHOUSE 3 細田 守
/PLUS MADHOUSE(プラス マッドハウス) 1 今敏 (キネ旬ムック)