CG ANIME EXは、京都で初開催されているKyoto Cross Media Experience(Kyoto CMEX)の1イベントである。これまで大阪で開催されていたCGアニメコンテストとCGアニカップが、2日間に分けて実施された。
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過去のCGアニメコンテストにおいて、吉浦氏は2002年の第14回に『キクマナ』でアート賞、翌2003年の第15回に『水のコトバ』で作品賞を受賞している。
この『イヴの時間』は、同名の喫茶店内が主な舞台となっている。過去作で同様に喫茶店内を舞台とした作品『水のコトバ』があるが、そのモチーフを『イヴの時間』でも採用した。
『イヴの時間』では新規に店内を制作し直している。3DCGで制作しておくとデータの使いまわしが聞くのが利点なので、コストパフォーマンスがよいのではないかといった理由もある。また『水のコトバ』の制作時から、いつかワンシチュエーションものをやってみたいと思っていたともいう。
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作画の原画・動画・仕上げは、通常のアニメーション制作と同じスタイルで制作会社に発注しており、
この辺りについてはテレビシリーズ制作の小規模版のような感じだと述べた。
そして、実際の制作例も一部公開された。キャラクターデザインを行っているのは、作画監督も務めている茶山隆介氏である。動画マンがキャラクターデザインを行っているために影のつけ方などが独特である反面、他のアニメーターが苦労していることなどが語られた。
また3DCGでキャラクターの立ち居地も決めているために絵コンテの時点でレイアウトが決まっており、その輪郭線をレンダリングして作画へ渡すなどのワークフローが披露された。
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今回、吉浦氏は来場の際にDVDも持参した。僅少な幻の在庫も定価で買えるとあって、早々に完売した。
第21回CGアニメコンテストでは、他の作家の近況報告も例年通り行われた。『みちゃだめ』で入選した奇志戒聖氏は、夢野久作の同名作品を原作とした『ドグラマグラ』を企画している。
昨年『ケータイ捜査官7』への制作参加を報告した岸本真太郎氏は、過去の同名受賞作を連作化した『tough guys!』をサンライズと共に制作している。この『tough guys!』は、今春初開催された沖縄国際映画祭2009などで上映されている。
一方、壇上での紹介は行われなかったが、昨年『まひる・ぷれでぃくしょん』で佳作のぽよ氏と『アースウォード』で入選の大和秀夫氏は、バーナムラボラトリーの『星に願いを Fantastic Cat』の制作に参加した。特に大和氏は、同作でアクションディレクターを務めている。2人は昨年、CGアニカップにも出場した。
【真狩祐志】
イヴの時間 /http://timeofeve.com/
CG ANIME EX /http://cganime.jp/EX/
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