アトムのキャラクターの魅力は、時には中性的にも映る可愛らしさでもある。上戸彩さんは2007年の劇場アニメ『ピアノの森』の主人公一瀬海を演じたこともある。その際には天真爛漫な少年の声をのびのび演じて高い評価を得ている。今回のアトムでも、上戸彩さんの少年らしさの溢れる個性が存分に発揮されそうだ。

配給を手掛ける角川エンタテインメントは、今回の吹き替え版声優の選出理由について演技力があり、日本を代表する元気なキャラクターとして上戸彩さんに白羽の矢を立てたという。過酷な運命から徐々に力強いヒーローへと変化していく様子を演じられる声優として期待されている。
こうした期待に対して上戸彩さんは、「アトムの声優ができて、すごい嬉しいです。たくさんの方に愛されているアトムのイメージを壊さないように頑張ります!今回の映画『ATOM』は優しくて力持ちなアトムだけではなく、ちょっと切ない部分や、深いメッセージがこめられているので是非たくさんの方に観て欲しいです」と永遠のヒーロー アトム役に意欲を見せる。

役所さんは、アトムの父親であるテンマ博士を演ずる。死んだ息子をロボットのアトムとして生き返らせ、そしてロボットへの愛情が偽りであることを知る複雑な天才科学者が役どころだ。英語版ではこちらも大物俳優ニコラス・ケイジさんが演じている。
役所さんは今回のテンマ博士について、「子どもの頃テレビで『鉄腕アトム』を見ていましたし、初めて描いたマンガもアトムでした。この映画に描かれている血のつながりや人種など関係なく相手を思いやる気持ちがあれば親子にも友人にもなれるという部分に魅力を感じました」と語っている。
海外で製作される『鉄腕アトム』と言うとその仕上がりについても気になるところだ。しかし、製作側によれば、原作をベースに手塚プロダクションとがっちりタッグを組んで制作を行ったとのことだ。
今回の映画版でも、自分の力を戦いに使いたくないアトムの葛藤や父と子の愛についてなど、手塚治虫の原作の中にある世界観が忠実に表現されているという。一方、CGアニメーション制作は、この分野に定評のあるイマジ・スタジオである。10月の劇場公開には、その映像世界も姿を見せることになる。
キャラクター画像: (C)2009 Imagi Crystal Limited Original Manga (C) Tezuka Productions Co., Ltd.
『ATOM』
公式サイト /http://atom.kadokawa-ent.jp/
10月10日(土)より全国ロードショー
配給:角川映画、角川エンタテインメント