日本おもちゃ大賞は良質で市場性のある玩具開発の活性化、玩具感性の育成などを目的に、2008年に初めて創設された。昨年の発表は大きな反響を巻き起こし、一般からの玩具に対する関心を呼び起すきっかけともなった。
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2009年は昨年に引き続き共遊玩具部門、イノベーション・トイ部門、ベーシック・トイ部門、ハイターゲット・トイ部門、トレンディ・トイ部門の5分野でそれぞれ5つの作品を選びだした。
この中から1点を大賞とし、残りを4点を優秀賞とする。各玩具メーカーの中から選びぬかれた応募商品は全部で328点、その中からさらに厳しい審査を経て認められた注目の玩具である。
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おもちゃ大賞としての評価はそうした市場性だけでない。部品の組替で多彩なバトルと改造が可能になることや、古くからあるベーゴマを新しいかたちで現代に甦らせたことだ。
メタルファイトベイブレードは、1999年から2000年代初頭に大ブームを巻き起こしたベイブレードのリバイバル商品なので見事な復活となる。
しかし、タカラトミーの担当者によれば、発売当初はショップでの大会参加者も5、6人ということもあったという。今回おもちゃ大賞に選ばれた理由でもある魅力的な商品性を地道に訴えてきたことが成功の理由だ。
時代性を反映する玩具を選ぶトレンディ・トイ部門の大賞も、タカラトミーからである。現在の大きな玩具トレンドのひとつ「クッキング」をテーマにした「生キャラメルポット」が選ばれた。キャラメル作りを本格的に楽しめるだけでなく、調理時間が短いこと、材料費が安いことが評価された。
また、おもちゃ大賞では革新的なアイディアがとりわけ注目されている。共遊玩具部門では聴覚障害者が光で文字と絵を描きコミュニーケーションする「なぞるおえかき ピカッとかけた!」(セガトイズ)が、イノベーション・トイ部門ではテレビと地球儀をつなぎ情報ターミナルとする「TV地球儀」(エポック)が受賞している。ハイターゲット・トイ部門は、エルノール・ルービック氏の開発した球面の新世代パズル「ルービック360」(メガハウス)である。
乳幼児から大人、お年寄りまで、玩具がターゲットする対象は幅広い。それだけに玩具の領域や種類は、ひとつの視点だけでは語れないものがある。
しかし、今回の5つの部門に登場した大賞、優秀賞の玩具に共通するのは、驚くほどまでに豊かなアイディアである。次々と繰り出される想像もつかないようなアイディアは、玩具産業も知的財産のうえに成り立つコンテンツ産業だと感じさせるのに十分だ。
7月16日から開催され、7月18日、7月19日に一般公開される東京おもちゃショー2009では、今回選ばれた大賞、優秀賞をコーナーを設けて紹介する予定である。
日本の玩具のアイディアの豊かさに触れるよい機会となるだろう。もし、東京おもちゃショーに行く予定があれば、是非立ち寄って欲しいコーナーだ。
東京おもちゃショー 公式サイト /http://www.toys.or.jp/toyshow/
日本おもちゃ大賞2009 大賞受賞商品
【共遊玩具部門】
なぞるおえかき ピカッとかけた!
(セガトイズ)
【イノベーション・トイ部門】
TV地球儀
(エポック)
【ベーシック・トイ部門】
メタルファイトベイブレード BB-32 ハイブリッドウィール対戦セット
(タカラトミー)
【ハイターゲット・トイ部門】
ルービック360
(メガハウス)
【トレンディ・トイ部門】
生キャラメルポット
(タカラトミー)