
真実の宮本武蔵は誤解されているという押井守が、『五輪書』を紐解き独自解釈するドキュメンタリースタイルの新感覚の映画だ。あらたな宮本武蔵像が、世の中に問われることになる。
こうした劇場公開を前に『宮本武蔵-双剣に馳せる夢-』が、海外で開催される国際映画祭に相次いで正式招待されることが明らかになった。
7月16日から26日まで開催される韓国のプチョン国際ファンタスティック映画祭と月5日から15日まで、スイスで開催されるロカルノ国際映画祭である。
ロカルノはヨーロッパで最も古い国際映画祭のひとつで、同時に最も重要な映画祭のひとつとされている。
映画祭の特徴は大作主義を避け、常に新しい映画のトレンドを追うことである。最新の映画の潮流が生れる場とされており、これまでにないスタイルの映画となった『宮本武蔵-双剣に馳せる夢-』が、そうしたロカルノの厳しい目に留まった。
また、ロカルノ国際映画祭は、日本の映画に特に深い関心を寄せていることでも知られている。特に今年の夏には大型企画『MANGA IMPACT/マンガインパクト-日本のアニメーションの世界』を開催する。
これはヨーロッパで開催されるマンガ、アニメの紹介では、過去最大のものとなるとされている。日本最古の時代のアニメ作品から、現代までを辿る。そうしたなかで『宮本武蔵-双剣に馳せる夢-』は、日本アニメーションの表現スタイルの多様性を表現することになりそうだ。

(C)2009 Production I.G/宮本武蔵製作委員会
ロカルノ映画祭は、今回の『宮本武蔵-双剣に馳せる夢-』の正式招待について次のように語っている。
「『宮本武蔵―双剣に馳せる夢―』という映画をロカルノ国際映画祭にてご紹介できることになり、わくわくしています。多様で異なる表現手法・演出・技法を巧みに組み合わせると言うこの作品の試みは、まさしくロカルノ映画祭の一貫した理念である“映画の新地平線を発見していく精神”にぴったりシンクロしていると思います。
アニメーションで表現したドキュメンタリー風構成に「武蔵博士」のウンチク解説を乗せることにより、この映画は巧妙なアイロニーに溢れるポストモダンな映像世界を創り出しています。
一方、映画に登場する剣劇シーンはアニメーション技術の頂点のみならず、日本実写映画の名作時代劇すら連想させる完成度の高い演出力を見せています。このように演出方法と映像技法を多用する斬新な映画は、一つの芸術品として、伝説的な剣豪・宮本武蔵を知らない観客をも魅惑するに違いありません。」
また、西久保瑞穂監督は、映画祭正式招待について
「この作品は、日本人なら誰でも知る宮本武蔵を題材にした歴史アニメドキュメンタリーであり、浪曲を盛り込んだ音楽剣劇でもあるという挑戦作になっています。海外の映画祭に評価いただいて、心から嬉しく思います」と喜びのコメントを寄せている。
『宮本武蔵-双剣に馳せる夢-』 /http://musashi-souken.com
6月13日(土)から、テアトル新宿、テアトル梅田、名古屋ゴールド劇場にて公開
第62回ロカルノ国際映画祭 公式サイト /http://jahia.pardo.ch
プチョン国際ファンタスティック映画祭 /http://www.pifan.com