フランスのコンテンツ市場最新レポート JETROがリリース
【フランスのアニメ・マンガビジンスの最新動向も】
日本貿易振興機構(JETRO)は、4月28日にフランスを中心にヨーロッパ地域における日本のエンタテインメント・コンテンツ市場の最新情報をまとめたレポートをリリースした。
調査レポートは「フランスを中心と
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日本貿易振興機構(JETRO)は、4月28日にフランスを中心にヨーロッパ地域における日本のエンタテインメント・コンテンツ市場の最新情報をまとめたレポートをリリースした。
調査レポートは「フランスを中心とする欧州におけるコンテンツ市場の実態2008-2009(2009年3月)」と題されたもので、映画、アニメ、マンガ、ゲーム、J-POPの5分野から構成されている。しかし、現在のヨーロッパの市場における勢いの違いから、特にアニメとマンガの両分野について詳細なものになっている。
JETROによるコンテンツ関連市場のレポートは、日本のコンテンツの海外進出を支援する目的で、これまでも様々な地域、分野で継続的に行われている。特に北米、中国、フランスの3地域についてのレポートの内容には定評がある。
これらの3地域が日本コンテンツビジネスの最重要な市場であることとも無関係でないだろう。他の2市場よりも小さいにも関わらずフランス市場が注目されるのは、巨大なヨーロッパ市場の中心であり、また一際日本のアニメ・マンガの人気が高い地域だからだ。
【仏の『ドラゴンボール』の累計販売部数は1900万部】
全体で145ページにも及ぶレポートは、これまで日本語化されていなかった情報も多数含む。また、これまで断片的な数ばかりで、まとまった情報がなかった分野でも様々な統計を作成している。
例えば、単純な数字だが、フランスでの『ドラゴンボール』の累計販売部数が約1900万部、『NARUTO』が約900万部、あるいは2007年のテレビ放映タイトル数およそ160というのは、一般的な日本人に驚きを与えるのに十分な数字だろう。
しかし、今回のレポートの特徴は、こうした数字だけを取上げるとクール・ジャパンを拡張しかねない中で、冷静な視点を失わないことだ。
例えば、フランスにおける日本映画のシェアは1%未満、英国、ドイツ、イタリアでは0.1%以下という厳しい現実にも触れる。また、現在注目されているJ-POP市場についても、ヨーロッパで市場を形成するにはあまりにも規模が小さいとする。
アニメにしてもDVDに限るなら、DVD市場全体のおよそ2%を占めるに過ぎず、米国ハリウッドのそれと比べると遥かに小さいという。
【ヨーロッパ市場全体を知るのに有用】
一方で、このDVD市場については、フランスにおける日本アニメの広がりが、北米市場のそれを上回っていることと比較するよい資料となる。
北米の日本アニメDVD市場は、最も売れた2003年でも1%台半ばで2%に達していないからだ。現在は、その割合は0.5%程度まで下落しているとみられる。金額ベースでは小さいフランスの市場は、日本コンテンツの浸透度で言えば、北米の遥か先を行っていることになる。
今回の調査レポートの価値はこうした状況を知ることで、フランス市場でのビジネスを開拓する一助にするものだ。さらにフランス同様に日本のコンテンツの人気が高いスペインやイタリア、さらにドイツやベネルクス、英国、北欧とビジネス領域の拡大を考える上で大きな参考になるだろう。
こうした統計数字に加えて、世界でも有数のIPTVとビデオオンディマンドの先進国であるフランスのメディアの多角化の状況や、違法配信対策なども参考になることが多い。「フランスを中心とする欧州におけるコンテンツ市場の実態2008-2009(2009年3月)」は、フランスとヨーロッパのコンテンツビジネスを知るための最良のレポートと言える。
日本貿易振興機構 /http://www.jetro.go.jp/
/フランスを中心とする欧州におけるコンテンツ市場の実態2008-2009(2009年3月)
《animeanime》