2009年夏 伊・スイスで日本アニメ・マンガの大回顧展開催
ヨーロッパで最も古い映画祭のひとつスイス・ロカルノ国際映画祭は、来年夏に日本のアニメとマンガを集中的に取り上げる大回顧展「Manga Impact - The World of Japanese Animation」を開催すると発表した。
2009年8月5日から15日に開催される第62回ロカルノ国際映
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2009年8月5日から15日に開催される第62回ロカルノ国際映画祭にて「Manga Impact」と題した特集上映を行う。上映作品はアニメ映画から短編アニメーション、テレビアニメ、さらに日本の初期のアニメーション作品から現在の作品にまで至る。ヨーロッパではこれまでなかった大規模なラインナップになると見られる。
「Manga Impact」は映画祭での上映だけでなく、様々な企画が複合的に展開される。映画祭と並ぶ大きな企画は、イタリア・トリノの国立映画博物館で開催される展覧会である。
この展覧会は、2009年の9月16日から11月15日まで行われる。展覧会ではアート作品や雑誌、書籍、イラスト、キャラクター商品、玩具、フィギュアからコスプレ、コンピュータゲームまで、こちらも幅広い日本のポップカルチャーを取り上げる。さらに、こうした様々な側面を取り上げた書籍の出版も行うとしている。
10月2日にはインターネット上に、「Manga Impact」と題した公式ウェブサイトが立ち上がった。現在は日本のアニメのような巨大な目を持ったヨーロッパ人の少女の印象的なビジュアルが掲載されているだけだが、今後はサイトを通して企画プランや計画を配信して行くとしている。
国立映画博物館は、トリノがイタリアの映画産業の中心であることにちなみ2000年にオープンした。ヨーロッパではまだ数が少ない映画博物館であることや、広大なスペースを活かした凝った企画や展示などで、ヨーロッパで最も来場者が多い映画博物館として短期間で急激に注目を集めるようになった。
こうした野心的な試みのひとつとして、日本のマンガやアニメの大型企画展に取り組むとみられる。
一方、ロカルノ国際映画祭は、1946年に始まったヨーロッパでも最も古い映画祭のひとつだ。歴史が古いだけでなく、ヨーロッパではカンヌ、ベルリン、ベネチアと並ぶインパクトのある映画祭とされている。
映画祭の特長は有名スターや監督よりも、埋もれた良質な映画に目を向けることである。監督やテーマを設けた特集上映に強みがあり、こうした特長からしばしば世界の映画の最新トレンドを引っ張って行く傾向がある。
そうしたなかでロカルノが2009年の映画祭の主要テーマに日本のアニメ、マンガに定めた。これは一定の人気は獲得しているものの、まだまだ周辺文化と見做されがちな日本のマンガ・アニメを表舞台に引き上げようとの意図がありそうだ。
実際にロカルノは企画の発表にあたり、現代西洋文化にマンガとアニメが与える影響は部分的にしか理解されておらず、今回の企画を通じてその重要性が明らかになるとしている。
これまでもヨーロッパでは、スペインのシッチェス国際映画祭、イタリアのフィーチャーフィルムフェスティバル、あるいはフランスのアヌシー国際アニメーション映画祭など、日本のアニメに特別な関心を寄せてきたヨーロッパの映画祭は多い。また、マンガの世界でも、フランス・アングレーム国際バンド・デ・シネフェスティバルで日本マンガが大きく取り上げられる傾向が近年強まっている。
そうしたなかで行われる大型企画「Manga Impact」は、日本のアニメ・マンガの本当の実力がヨーロッパで問われることになりそうだ。
Manga Impact - The World of Japanese Animation
/http://www.mangaimpact.ch/
ロカルノ国際映画祭公式サイト /http://www.museocinema.it/en/
トリノ国立映画博物館 /http://www.museocinema.it/en/
《animeanime》