2007年 劇場アニメ興収ベスト10
2007年も終わり、07年の劇場アニメの最終的な興収動向が見えてきた。最終的な興収ランキングは、興収50億円を超えたとされる『ポケットモンスター ダイヤモンド&パール ディアルガVSパルキアVSダークライ』が圧倒的な強さを発揮した。昨年の『ポケモンレンジャーと蒼
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劇場における携帯ゲーム機向けのポケモンプレゼントや、公開前のイベントなど巧みなプロモーションの効果もあるが、世界的なポケモン人気の復活を感じさせる数字でもある。
アニメ映画全体の数字は、昨年の興収10億円以上の劇場アニメの合計がおよそ226億円だったのに対して、2007年は200億円をかなり下回ると見られる。これは、昨年大ヒットになった『ゲド戦記』の反動である。ジブリ映画は、劇場作品の公開が通常2年に1度であるため、アニメの興収成績は2年ごとに上下することが多い。
こうしたジブリ映画の影響を除くと、定番シリーズ映画が2007年は好調であった。先の『ポケモン』以外にも、『ドラえもん』、『クレヨンしんちゃん』、『NARUTO』、『プリキュア』といずれのシリーズも昨年の実績を上回っている。 昨年大きなヒットとなった『名探偵コナン』のみが、前年より減少している。
しかし、子供向けのシリーズアニメが上位を占めているのは、例年と同じである。また東宝の強さも際立っている。
そのなかで特筆すべきは、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』が推定で17億円~18億円の大ヒットとなったことである。これまで比較的高い年齢を対象にした劇場アニメは、ヒットと言われる作品でも10億円前後が限界と見られることが多かった。
実際にアニメファンの間でかなり人気の高かった2005年の『劇場版 鋼の錬金術師 シャンバラを征く者』(12.2億円)や『機動戦士Ζガンダム-星を継ぐ者-』(8.5億円)の興収成績からそれが伺える。
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』も、当初はそうした規模のヒットを念頭に置いたスクリーン数が用意されていた。しかし、結果は興収10億円の壁をやすやすと跳び越している。マニア向けの作品が、マニアを跳び越えた展開をしたという大きな意味がある。
劇場アニメの監督として評価の高い原恵一監督の『河童のクゥと夏休み』は、興収3億5000万円程度となった模様である。作品は文化庁メディア芸術祭アニメーション部門大賞を既に受賞しているほか、日本アカデミー賞優秀賞も獲得している。
昨年、アニメ映画の賞レースで度々名前を連ねた『時をかける少女』や『パプリカ』も3億円程度の興収であった。映画の評価と興収が必ずしも一致しないことを感じさせる。また、いずれの作品も3億円程度の興収ということは、こうした作品の一般的な興収がこの付近での安定した規模であるとも言える。
【2007年 劇場アニメ興収ベスト10】
1. 劇場版ポケットモンスター
ダイヤモンド&パール ディアルガVSパルキアVSダークライ
2. ドラえもん のび太の新魔界大冒険 ~7人の魔法使い~
3. 名探偵コナン 紺碧の棺(ジョリー・ロジャー)
4. ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序
5. 劇場版 どうぶつの森
6. クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ 歌うケツだけ爆弾!
7. えいがでとーじょー!たまごっち ドキドキ!うちゅーのまいごっち!?
8. 劇場版NARUTO 疾風伝
9. ワンピース エピソード オブ アラバスタ 砂漠の王女と海賊たち
10. Yes!プリキュア5 鏡の国のミラクル大冒険!
(上記の順位は、BOX OFFICE MOJOのデータに基づき推定にて作成しています。)
BOX OFFICE MOJO /http://www.boxofficemojo.com/
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