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作品は9月に開催されたオタワ国際アニメーション映画祭のグランプリを受賞するなど、既に世界各地のアニメーション映画祭で高い評価を獲得している。山村監督は2002年の『頭山』で、アヌシーやザグレブ、広島などの国際アニメーション映画祭のグランプリを獲得しているが、『カフカ 田舎医者』は『頭山』と並ぶ代表作になることは間違いない。
11月17日の公開初日には、公開劇場となるシネカノン有楽町2丁目で、山村監督とプロデューサーの寺西史さんを招いた初日舞台挨拶も開催された。
その舞台挨拶での紹介によれば、今回の作品制作のきっかけは、監督がアーティスト中村一義さんのために制作したPV『ジュビリー』を観た松竹の寺西プロデューサーからの提案だったという。山村監督は3年前にこの提案を受け、それから始まり、自由な枠組みで創作が出来たという。高い評価を受ける作品のクオリティーはこうしたなかで生まれたようだ。
また今回、『カフカ 田舎医者』の声優には狂言歌の茂山千作さん一家や作家・金原ひとみさんが参加をしている。
山村監督は、この声の出演ついて「最初、カフカのこの企画を立ち上げた時に、漠然と狂言を使おうと思い、プロデューサーの寺西さんと相談して茂山一家の方々にお願いすることにしたんです。」と話す。
結果として田舎医者の千作さんについて「声の録音で第一声を聞いた時に、「これだ!」と思って喜びました。一声発すると、誰にも真似できない芸の重さと声の力をお持ちで、本当に感謝の一言に尽きます。」と大満足の様子であった。
ローザ役の金原ひとみさんについては、「年齢的にローザの歳に近いというのと、セクシャルな色香というもの、意識しないで発してしまっている色香を感じたところがキャスティングのポイントになりました。」ということであった。
最後に先日文化勲章を受章したばかりの茂山千作さんから、オタワでの受賞と劇場公開を喜ぶメッセージが披露され、挨拶を終えた。『カフカ 田舎医者』は、11月17日より東京・有楽町のシネカノン有楽町2丁目で公開中である
『カフカ 田舎医者』 公式サイト /http://www.shochiku.co.jp/inakaisha/
公式ブログ /http://d.hatena.ne.jp/inaka_isha/