TAF2007 徳間書店ブースは『電脳コイル』を大特集 | アニメ!アニメ!

TAF2007 徳間書店ブースは『電脳コイル』を大特集

 徳間書店のブースでは「徳間アニメ新世紀宣言」と題し、押井守監督の『天使のたまご』以来の徳間書店製作のアニメの年譜を掲載していた。
 この中には他に類を見ない長編OVAシリーズの『銀河英雄伝説』や『紺碧の艦隊』を紹介していた。

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 徳間書店のブースでは「徳間アニメ新世紀宣言」と題し、押井守監督の『天使のたまご』以来の徳間書店製作のアニメの年譜を掲載していた。
 この中には他に類を見ない長編OVAシリーズの『銀河英雄伝説』や『紺碧の艦隊』を紹介していた。

 今年のブースで最もフィーチャーしていたのは磯 光雄監督の『電脳コイル』である。本作で磯さんは、原作・脚本・監督を務める。ブースでは監督のメッセージや、絵コンテ、台本の他、オープニングの映像も公開されていた。
 磯さんは『御先祖様万々歳!』『新世紀エヴァンゲリオン Air 』『ラーゼフォン』など、アニメーター、演出家、脚本家として業界内外に多くのファンを持つ。そもそもの発端は6年前に「絵を中心とした企画書風の読み物」を作ったところから始まる。
 舞台は「お化けの見える“電脳メガネ”が発売された時代のお話し」である。このメガネはネットに接続してあり、仮想空間のお化けを現実世界に電脳ペットとして映し出す装置である。
 これが現代の携帯電話のように子どもたちに普及している世界で、性格の全く違う二人の“ユウコ”が電脳空間でさまざまなフシギを体験するというストーリーである。ブースには電脳ペットの一人、「サッチー」の等身大のフィギュアも飾られていた。
 
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 『ラーゼフォン』などでデジタルワークスを担当した磯さんによる上記のような設定だと、ついデジタルらしい画面を想像してしまうかもしれない。だが、むしろ画面からは“古き良き”昭和的で温かい雰囲気が画面や小道具や色遣いから伝わってくる。
 参加するアニメーターも豪華で、キャラクターデザイン・作画チーフにリアル系の作画が人気の本田雄さん、普段は劇場版の大画面で数々の名シーンを描いてきた井上俊之さんや、『鉄コン筋クリート』作画監督の久保まさひこさんらの名前がすでに挙がっている。
 本作は製作が決定してから、監督のウェブサイトで大々的にアニメーターを募集しており、監督を慕う業界の名アニメーターが集結することもあり、さながら『AKIRA』のような状況になっているのかもしれない。作画ファンはもちろん、アニメーションにまだ意識的ではない人に、本作でアニメーションの面白さを見て欲しい作品である。

 本作について監督は「人と人との間には必ず距離があり、たどり着くには細い迷い道を歩いてゆかなかればならない。(中略)でも、つながっていない道は絶対になくて、いつかきっと辿りつける。そんな気持ちを込めたつもりです。(中略)前半はおもしろおかしく不真面目に楽しんでもらえればそれで十分だと思います」とメッセージを寄せる。

 テレビでの放送は2007年5月12日(土)よりNHK教育で18時30分から。なお、本作の小説版は「NHK 連続テレビ小説」で脚本を手がけ、監督の信頼も厚い宮村優子さんが執筆し、放送よりも一足早い4月18日に徳間書店から発売される。
(日詰明嘉)

電脳コイル 公式ページ /http://www.tokuma.jp/coil/index.html      

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