まだ、『ポケットモンスター』が現れる前、日本アニメブームと言われる前の90年代から、米国のアニメファンの間で高い人気を誇ったのがマッドハウスだからである。
そうした人気作品群の中に、現在、ハリウッド実写映画化が進む『銃夢』や『妖獣都市』、あるいは『ロードス島戦記』、『X』などアメリカのアニメファンに古典とされている作品が含まれる。
90年代にアメリカで最も知られたアニメプロダクションのひとつがマッドハウスだった。
こうしたアメリカでのマッドハウスの歴史を反映してか、アニメエキスポ2006の2日目に開かれたマッドハウスパネルの参加者はAX全体の参加者に較べると平均年齢が高かった。しかも、Q&Aをすると「『迷宮物語』のようなオムニバスはもう作らないのか」といったかなりわかっている質問が続出する。
そうしたファンたちには、例えばマクロス(=ロボテック)パネルのような熱気ムンムンといった雰囲気はなく、むしろのどかな雰囲気が漂っている。「ちょっとゆるくて濃いおたく」僕は勝手にそう名づけた。
パネルの壇上にあがったマッドハウスのCCOの丸山正雄氏やマッドハウスUSAのスタッフも、丁寧にものを語るので、そうした全体の印象がさらに強まったかもしれない。

作品紹介の極めつけは、水島精二監督がAX用として渡米前に制作した『大江戸ロケット』のプロモーション映像である。このフィルムは前日の水島精二フォーカスパネルでも上映されたのだが、ポップで軽快な映像で何度観ても楽しい。
何しろ映像の始まりが効いている。いきなり「江戸っていったってアメリカ人には、判らないよな」から始まり、「忍者だって出て来る」など受け狙い満載だ。しかも、ナレーションが山寺宏一さんだ。
この作品、今回の会場で大人気の『鋼の錬金術師』のコンビ水島精二監督、脚本が會川昇氏だから、注目度は最初から断トツである。しかし、この映像でさらにかなり強烈な印象をアメリカのアニメファンに残したに違いない。
パネルの最後には、来年公開予定の『パプリカ』の声優をする古谷徹氏をゲストに招いた。そして、『幻魔大戦』の火龍のシーンを一緒に観るなど最後まで息の抜けないパネルであった。
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