中野区で「アニメ制作体験ワークショップ」開催。子どもたちがコマ撮りで創造性を発揮 | アニメ!アニメ!

中野区で「アニメ制作体験ワークショップ」開催。子どもたちがコマ撮りで創造性を発揮

中野区では、11月11日に「アニメ制作体験ワークショップ」が開かれた。子どもたちを対象にアニメーションの基本原理であるコマ撮りを実践的に楽しく学べるイベントで、当日はたくさんの子どもたちが参加し、目を輝かせながら学んでいた。

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中野区「アニメ制作体験ワークショップ」2023の様子
中野区「アニメ制作体験ワークショップ」2023の様子 全 15 枚 拡大写真

この秋、中野区・杉並区・豊島区の3区は「中野×杉並×豊島アニメ・マンガフェス2023」と称して、同時期にそれぞれの地域でマンガとアニメに関する様々なイベントを開催している。

中野区では、11月11日に「アニメ制作体験ワークショップ」が開かれた。子どもたちを対象にアニメーションの基本原理であるコマ撮りを実践的に楽しく学べるイベントで、当日はたくさんの子どもたちが参加し、目を輝かせながら学んでいた。

■コマ撮りでオリジナルの冒険物語を作成

「アニメ制作体験ワークショップ」は3つのプログラムで構成されていた。メインとなるのは、「コマドリクエスト」と呼ばれる体験型のワークショップだ。

これは、青・オレンジ・ピンクのボールを使って、短いコマ撮りアニメを作成するもの。ピンクのボールを囚われのお姫様に見立てて、青いボールとオレンジのボールで姫を救出するストーリーを組み立ててみるというものだ。

各参加グループにつき1台ずつ、コマ撮りアプリ(以下参照)がダウンロードされたタブレットと、コース作りの土台となるホワイトボードと、物語を構成する上で必要となる『ブロックや梯子』そして『針山や大砲』などの障害物等を配置してコース作成は終了。

その後は操作対象である各色のボールを少しずつ動かしながらタブレットでコマ撮りをしていく。

青とオレンジのボールには3種類の形が用意されていた。通常の丸い形と、縦に伸びた形、やや潰れた形の3種類のボールを駆使して豊かな動きを作り上げていく。例えば、ボールは跳ねる時には力が加わり縦に伸びるが地面に着いた時には潰れた形になる。この3つを上手く組み合わせて、ジャンプしたり転がしたり様々な動きを作っていく。

コマ撮り撮影用のアプリにはiPadの「KOMA KOMA for iPad」を使用。ひとコマずつの撮影が容易にできて、プレビュー機能も直感的で使いやすく、コマ撮り学習に適したツールだ。

子どもたちは自由な想像力を発揮して、それぞれ個性的なアニメーションを作成した。同じ素材を用いているのに、どれひとつ内容は被っておらず、全く異なる冒険を作り上げていた。きちんと起承転結あるストーリーを組み立てられている子がほとんどで、発表会では皆の作った映像を見て拍手喝采が起きていた。

■ソーマトロープ作りと動画トレース

別のテーブルでは「ソーマトロープ作り」と「動画トレースワークショップ」も行われた。

ソーマトロープとは、丸いカードの表と裏に絵を描き2本の紐を取り付けた簡単なおもちゃで、紐を持って素早く回転させると目の錯覚で1枚の絵になったように見えるというもの。アニメは絵の連続による残像現象で動きを知覚させるものなので、単純な仕掛けながらアニメーションの原理を学べる。

あらかじめ描かれた線画に子どもたちが色塗りすることで完成する。キャラクターは、中野区の「中野大好きナカノさん」と杉並区の「なみすけ」だ。

「動画トレース」ではあらかじめ用意された見本となる動画をなぞって4枚~8枚の絵を作成、それを「KOMA KOMA」で撮影することでアニメーションを作成する。トレース台の上に見本の絵と白紙を載せて絵をなぞる子どもたちの眼差しは真剣そのものだった。

中には、見本を使わずにオリジナルのキャラクターで動きを作る子もいた。しかも、きちんとアニメーションとして成立していたので驚きだ。

会場は笑顔と歓声の絶えない和やかなムードに包まれていた。子どもたちが普段観ているアニメーションがどうやって作られているのか、その原理に触れたことで一層アニメーションを楽しめるようになっただろう。地域にアニメが根付いていることを実感させるイベントだった。

※ワークショップ協力:杉並アニメーションミュージアム

《杉本穂高》

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