田村由美の人気マンガ「BASARA」が舞台に 高浩美の アニメ×ステージ&ミュージカル談義 第9回 | アニメ!アニメ!

田村由美の人気マンガ「BASARA」が舞台に 高浩美の アニメ×ステージ&ミュージカル談義 第9回

連載・コラム 高浩美のアニメ×ステージ/ミュージカル談義

舞台「BASARA」
舞台「BASARA」 全 3 枚 拡大写真
勝ち気、強気、健気、そしてめっぽう強いが、やっぱり“女の子”はアニメの定番ヒロイン、舞台でも大活躍


[取材・構成: 高浩美]



■ 少女漫画と少年漫画の“いいとこ取り”なストーリー

田村由美の人気漫画「BASARA」。漫画は1990年〜1998年まで連載され、1998年にはアニメ化もされた。27巻、累計部数1500万部のヒットコミックである。物語は未来の日本。文明は崩壊し、人々は圧政に苦しんでいたが、そこに人々を導くと言われた「運命の子」と呼ばれるタタラが登場するが、赤の王の軍勢に殺されてしまう。双子の妹・少女更紗が“タタラ”として 立ち上がる・・・。
 こういった「戦記物」は少年漫画によく見られるが、少女漫画には“ない”といっても過言ではないだろう。そこに少女漫画の「王道」である恋愛の要素が入る。また、ヒロインのキャラクターも“完全無欠”ではなく、か弱い部分が見え隠れするという点でも共感が得やすい。感情移入しやすい作品として仕上がっている。


■ 戦うヒロインはいまや「定番」

「白馬の王子様」を待つヒロインは昔の話。この「BASARA」もそうだが、ひたすら戦うのが今のヒロイン像である。「リボンの騎士」のサファイヤから始まり、大ヒットした「ベルサイユのばら」のオスカル、そしてこの「BASARA」の更紗、いずれも剣は必須アイテム、時には殴る、蹴る、とにかく戦うのが基本。しかし、女の子らしさは忘れない。剣を振り回す、とまではいかなくても、自力で運命や現状を打破しようとするヒロインはいたるところにいる。
ディズニーアニメのヒロイン、「美女と野獣」(公演中〜1月27日迄。四季劇場「夏」)のベルは村人達から変人扱いされても“我が道”を突き進む。とにかく一生懸命、時には満身創痍になっても、ひたすら前進するのみ、そんな姿は清々しい。そしてちょっぴりヌケてたりするが、何故かめっぽう強い。現代のヒロインの定番といえるだろう。


■ 舞台版の「BASARA」は疾走感と躍動感がいっぱい

更紗役の高月彩良はこれが初主演。応募者1000人からヒロイン役を射止めた期待の新人だが、テレビでは「GTO」などに出演している。表情豊かにヒロインを演じていたのが印象に残る。赤の王を演じる相馬圭祐もきっちりと役をこなしており、ほかの俳優陣も作品世界を体現していた。
オープニングはベリーダンス風の群舞とエキゾチックな楽曲。未来の日本が舞台ではあるが、無国籍風の衣裳や音楽は作品のテイストによく合っており、ところどころに雅楽で使用する楽器を使った曲やロック調の楽曲があり、メリハリがあって飽きさせない。アクションシーン満載で疾走感のある展開は舞台に躍動感を与えていた。

本来、こういった「大河ドラマ」的な作品は2幕で見せたりするのだが、これは1幕で完結させている。原作の「美味しい」エピソードを上手くつなげ、見どころである「殺陣」を効果的に入れることによって少々長めの上演時間でもコンパクトに感じる。ラスト近く、ヒロインは戦争に真の正義がないことに気づく。懸命に戦い、仲間を想い、助けるが、同時に誰かを傷つけ、悲しませる、そのことに涙する。テーマ性がある原作だからこそ古くならない。再演が出来る作品だ。
ちなみにBASARAとは室町時代、南北朝時代に実際に流行った言葉で漢字表記は“婆娑羅”など。派手で伊達な服装、常識を逸脱した振る舞いや様子を指す言葉だが、サンスクリット語のvajra(バジラ・金剛・伐折羅、ダイヤモンドの意)から転訛した言葉とも言われている。

「BASARA」
12月12日(水)〜16日(日)
全労済ホール スペースゼロ
/http://www.tuffweb.jp/basara/

《animeanime》

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