夏アニメ「わたしの幸せな結婚」上田麗奈インタビュー「針に糸を通すような、とても繊細なアフレコ現場」

7月5日より放送開始となるTVアニメ『わたしの幸せな結婚』。

本作は異能者の家系に生まれながらも才を持たず、義母と義母妹に虐げられて育った少女・斎森美世を主人公とする和風シンデレラストーリー。美世と、彼女が嫁ぐことになった冷酷無慈悲と噂の軍人・久堂清霞が徐々に心を通わせるさまが描かれる。原作は顎木あくみによる同名小説。アニメーション制作はキネマシトラスが担当する。

アニメ！アニメ！では本作の放送開始を記念し、主人公である斎森美世を演じる上田麗奈さんにインタビューを実施。撮り下ろし写真とともにコメントをお届けする。

［構成・撮影：吉野庫之介］

美世が見てきた景色がより鮮明に

――王道のシンデレラストーリーでありながら「異能」という独特な要素も含む本作ですが、初めて原作を読まれた際の感想を教えてください。

まず儚く繊細な世界観にうっとりしてしまいました。言葉選びもすごく柔らかくて読みやすいですよね。あとは「異能」を持つ持たないで己の存在価値が変わってしまうようなシーンが印象的ですが、そんなシビアな環境のなかで出会う美世と清霞がとてもピュアな心の持ち主なのも素敵です。ふたりの成長を見守れるなんて光栄だな…と思いつつ読ませていただきました。

――斎森美世を演じるにあたり大切にされたポイント、感情を教えてください。

美世は、心は少女のままなのに身体だけ大人になってしまった人という印象があります。世界に馴染めずどこか浮いている感じや、人生を諦めているように見えて、実はまだ諦めきれないでいる不安定なところを意識しつつ、アフレコに挑みました。

清霞と出会って以降、新しい環境への戸惑いが見えたり、初めてのことに対して心の動かし方がわからない感じがあったのも、美世ならではだったなと感じています。

――作品PVや朗読劇を経てのTVアニメ化となりますが、久堂清霞との関係性など、今回のアフレコを通じてより作品の解像度が上がったと感じた部分はありますか？

本作の、絶妙な色使いや演出によってその場の空気感が伝わってくるような絵力に、アフレコ時からかなり影響を受けていました。斎森家からは緊張感や寂しさを感じ、久堂家からは柔らかくてあたたかい雰囲気が感じられたりしましたが、その温度差を視覚情報としても受け取れたことで、美世が見てきた景色がより鮮明に想像できて嬉しかったです。

あとは朗読劇を経てより魅力を増した石川界人さんのお芝居も印象的でした。徐々に変化していく清霞との関係性が、アニメではさらに細やかに描かれていると思います。

アニメ「わたしの幸せな結婚」PV第2弾《美世篇》

――人との出会いがきっかけとなり主人公の人生が大きく動いていく本作ですが、上田さんご自身の中で「出会いが人生を変えてくれた」という経験はありますか？

現在所属している81プロデュースとの出会いは、生活環境も人間関係もそれまでと大きく変わる、かなり大きな出会いだったのかなと思っています。別の道を選んでいたらどんな自分になっていたんだろうと想像することもありますが、きっと今の自分とは全然違う価値観を持って生活していたんだろうなぁ。

――人生における“幸せ”の定義について、上田さんが考えていることがあれば教えてください。

自分に関しては、欲求が満たされていて心も身体も健康的であれば幸せなのかなぁと思っていたりします。とはいえ欲求に関しては人それぞれのようなので、一概にこれ！とは言えないのが難しいですよね…。それが幸せに繋がると信じて、まずは自分の欲求が何なのかを知るところから頑張っています。

――視聴者のみなさまへメッセージをお願いいたします。

針に糸を通すような、とても繊細なアフレコ現場でした。じっくり丁寧に作ってくださっている製作陣の熱量も感じていただける内容になっていると思いますので、ぜひアニメでも「わたしの幸せな結婚」を楽しんでいただけますと幸いです！

TVアニメ『わたしの幸せな結婚』

■放送情報
TOKYO MX：2023年7月5日（水）より毎週水曜23:30～
サンテレビ：2023年7月5日（水）より毎週水曜24:30～
KBS京都：2023年7月5日（水）より毎週水曜25:00～
テレビ愛知：2023年7月5日（水）より毎週水曜26:05～
BS11：2023年7月6日（木）より毎週木曜24:30～
AT-X：2023年7月6日（木）より毎週木曜21:00～

■スタッフ
原作：顎木あくみ（富士見L文庫/KADOKAWA 刊）
原作イラスト：月岡月穂
監督：久保田雄大
設定・監修：阿保孝雄
シリーズ構成・脚本：佐藤亜美、大西雄仁、豊田百香
キャラクターデザイン：安田祥子
色彩設計：岡松杏奈
美術監督：片野坂恵美（インスパイア―ド）
美術アドバイザー：増山修
美術設定：菱沼由典、曽野由大、吉崎正樹
プロップ：高倉武史、ヒラタリョウ、みき尾
撮影監督：江間常高（T2 スタジオ）
3DCG監督：越田祐史（スタジオポメロ）
着物デザイン：HALKA
編集：黒澤雅之
音楽：Evan Call
音楽スーパーバイザー：池田貴博
音楽制作：ミラクル・バス
音響監督：小泉紀介
音響制作：グロービジョン
脚本開発協力：森本浩二
アニメーション制作：キネマシトラス

■キャスト
斎森美世：上田麗奈
久堂清霞：石川界人
斎森香耶：佐倉綾音
辰石幸次：西山宏太朗
ゆり江：桑島法子
五道佳斗：下野紘