坂本真綾、中島愛、May’n、ワルキューレ…「フライングドッグ」歌手共演の“犬フェス”レポ | アニメ!アニメ!

坂本真綾、中島愛、May’n、ワルキューレ…「フライングドッグ」歌手共演の“犬フェス”レポ

2月2日、フライングドッグがライブイベント「フライングドッグ10周年記念LIVE-犬フェス!-」を開催した。同社はビクター時代を含めて約40年の歴史を誇るが、レーベルアーティストたちによるフェスはこれが初めて。会場の模様はライブ・ビューイングでも中継された。

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「フライングドッグ10周年記念LIVE-犬フェス!-」
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2月2日、アニメ映像・音楽レーベルのフライングドッグが、設立10周年を記念するライブイベント「フライングドッグ10周年記念LIVE-犬フェス!-」を開催した。
同社はビクター時代を含めて約40年の歴史を誇るが、レーベルアーティストたちによるフェスはこれが初めて。会場の模様はライブ・ビューイングでも中継され、日本はもちろん香港、台湾、韓国のファンも感動を共有した1日となった。

トップバッターとなったのは、『トップをねらえ!』のテーマである「ガンバスターマーチ」の作曲者・田中公平だ。
田中は最初のプレゼンターとして、フライングドッグとの関わりや『サクラ大戦』の「檄!帝国華撃団」におけるレコーディング秘話などをトーク。最後に「ちょっと、1曲やっていい?」とピアノの前に座ると、サプライズゲスト・遠藤正明のボーカルでTVアニメ『勇者王ガオガイガー』の主題歌「勇者王誕生!」を披露する。
2コーラス目からは田中もボーカルとして参加し、その熱気に会場も「ガガガッ ガガガッ ガオガイガー!」と熱く叫んでいた。


遠藤正明
その熱気を引き継いだMay'nは、バンドアレンジでよりヘヴィさを増した「Chase the world」をダンサーとともに歌唱。自身のライブでも大事に歌い続けているTVアニメ『マクロスF』の2曲に突入すると、「射手座☆午後九時Don’t be late」では広いステージを全力疾走して観客を煽りまくる。
MCではフライングドッグ、そしてインフルエンザで出演キャンセルとなった菅野よう子への感謝を述べ、「この大切な曲と共に、まだまだ音楽の旅を続けていきます」との決意を表明。ステージのセンターで「ダイアモンドクレバス」を大切に大切に歌い届け、まさに銀河の妖精そのもののパフォーマンスをみせた。

ネイティブな発音と唯一無二の歌声で大きなインパクトを残し続けているナノは、TVアニメ『蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ-』から「SAVIOR OF SONG」をクールかつカッコよく歌い上げる。
「ナノのステージ、歌が少しでも皆さんの心に残ってくれて、これからもフライングドッグの力になれるように精一杯歌っていきます!」と語ったあとには、パンチのあるロックナンバー「No pain, No game」もドロップ。強烈なインパクトを残してステージを後にした。

勢いよく走ってきた会場の空気を一変させたのは、梶浦由記/FictionJunction YUUKAだ。梶浦のピアノに導かれ、ゲストボーカルの笠原由里はステージ最後方から「salva nos」を披露。フロントにいるKAORIとYURIKO KAIDAがさらに曲に広がりをもたせていく。
梶浦が「アーティストとレーベルは同じ地平を目指してはいるけど、違う場所で戦っている戦友みたいなもので、視点が少しずれているんです。だからこそ視野が広げられる」との感謝の気持ちを言葉にしたあとには、優しいピアノの旋律に乗せてYUUKAが登場。
FictionJunction YUUKAとしてTVアニメ『機動戦士ガンダムSEED』の挿入歌「暁の車」をしっとりと歌ったかと思えば、クラップから始まった「nowhere」では観客をグイグイと引っ張っていった。


FictionJunction YUUKA
ここで2人目のプレゼンターとして、『マクロス』シリーズや『アクエリオン』シリーズを手掛けてきた河森正治が姿を見せる。河森はフライングドッグに感謝を伝えたほか、“80年代アイドルが全盛の時代で、なんでアニメにアイドルがいないのか”というところから『マクロス』の歌姫が誕生したことなどをトーク。
そして盟友とも言える菅野については「みなさんは奇跡的な体験をしました、菅野よう子さんも地球人だったということがわかったのだから」と笑いに変え、最後に「大切な歌姫、AIバーチャロイドの影の存在。スッと心に染み込むような彼女の歌声を聞け!」と新居昭乃を紹介した。

新居はOVA『マクロスプラス』を象徴するナンバーにして、菅野が手掛けた「VOICES」をアカペラで歌い出す。ピアノと歌声だけで果てしない大空をイメージさせると、TVアニメ『ゼーガペイン』のOPテーマ「キミヘ ムカウ ヒカリ」では美しい旋律を披露。透明感のある歌声で、観客の心をそっと包み込み癒やしてみせた。

強烈な個性を持つALI PROJECTは、TVアニメ『.hack//Roots』のEDテーマ「亡國覚醒カタルシス」からスタート。
MCでは「フライングドッグは15周年、ALI PROJECTは30周年を目指して邁進していくところですが、ALI PROJECTは2月9日公開の『コードギアス 復活のルルーシュ』の挿入歌をやっているので、映画と共にお楽しみいただければと思います」と呼び掛ける。
TVアニメ『コードギアス 反逆のルルーシュ』のEDテーマにして“黒アリ”を象徴する「勇侠青春謳」では、ジャケットを脱ぎさらした宝野による日本刀をかざすパフォーマンスなどで魅了した。


ALI PROJECT
「みんな抱きしめて銀河の果てまで!」と叫んでスタートした中島愛は、彼女がランカ・リー=中島愛として11年前にリリースした代表曲「星間飛行」で会場を緑一色に染めていく。
そして「今日は土曜日開催ということで、この歌を歌わせてもらいたいと思います」という前振りで物凄いコールを起こし、踊れるロック「サタデー・ナイト・クエスチョン」でも会場を盛り上げた。

中島がステージを終えると、照明が暗くなったステージに突然「ライオン」のイントロが鳴り響く。約10年前に大ブームを巻き起こした強力な楽曲は、久しぶりに中島とMay'nの2人でのパフォーマンスとなった。
声を重ね合わせながらステージの両サイドに駆けていった2人は、最後に再び中央で背中を合わせながら曲を締めくくる。歌い終わったときには、涙を浮かべるMay'nが中島を強く抱きしめてステージを降りた。

kz(livetune)によるフライングドッグ楽曲のDJタイムのあとには、後半戦のトップバッターとして福山芳樹とチエ・カジウラがボーカルを務めるFire Bomberが登場した。
シークレットアーティストかつ『マクロス』シリーズを語るには外せない顔に会場が沸きあがるなか、2人は「PLANET DANCE[Duet Version]」を熱唱。25年近く経ってもまったく色あせない歌声を響かせ、福山も熱気バサラそのままにバサラギターを弾きまくった。


AKINO with bless4
底知れない力強いボーカルを轟かせるAKINO with bless4は、挨拶代わりの「海色」で大きなフラッグを持ってステージを走り回る。
MCでは陽気なトークで会場を和ませつつ、「フライングドッグの皆さん、菅野よう子さん、そしてサポートしてくれたみなさんは、私たちの大切な家族です! みなさん、今までで一番大きい〈愛してる〉を一緒に歌ってください」と呼び掛け。大ヒット曲「創聖のアクエリオン」を歌い、会場全体で大きな「愛してる」を響かせた。

続く石川智晶は、TVアニメ『神様ドォルズ』OPテーマの「不完全燃焼」で強烈な個性と世界観を見せつけると、MCでは一転して親しみやすくトークで場を和ませる。
「歌っていいなと思います、皆さんもぜひ歌を歌ってほしい。行き詰まったときにマインドが変わるから。私も、歌がどれだけすばらしいかを伝えていけたらと思います」と語ると、時代を越えて愛される楽曲「アンインストール」を歌いステージを去っていった。

「まさか!」というどよめきの声が起こったのは、石川と梶浦からなるSee-Sawの復活だ。
大ヒット曲「あんなに一緒だったのに」で力強くも伸びやかな歌声を響かせたのち、「See-Saw、ボーカル石川智晶」「See-Saw、梶浦由記」という紹介には大きな拍手が巻き起こる。最後に手を合わせてステージを去っていくところまで、観客に忘れられない瞬間を届けた。


See-Saw
3人目のプレゼンターとして登場した声優・山寺宏一は『カウボーイビバップ』スパイク役としても知られるが、ステージではビクター作品の出演作リストを見ながら役のセリフを交えて紹介していく。
デビュー作のOVA『メガゾーン23』(1985年)から付き合いであることが判明するが、ここではさすがのエンターテイナーっぷりを発揮。「菅野よう子さんの音楽なくして『ビバップ』の成功はなかったかなと思います。演奏するかもしれなかったOPテーマの『Tank!』をアカペラで、犬で歌いたいと思います!」と宣言して犬の鳴き声で歌うなどやりたい放題をしてみせた。

だが最後にはしっかりと良い声で、「3年前に惜しまれながら解散してしまったユニットが、一夜限り一曲限りの再結成です!」と次のアーティストを紹介。Tridentの渕上舞(イオナ役)、沼倉愛美(タカオ役)、山村響(ハルナ役)がステージに登場した。
TridentはTVアニメ『蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ-』から、EDテーマ「ブルー・フィールド」を披露。実に3年ぶりの歌唱となったが、息の合ったダンスと歌で会場をブルーに染め上げていき、客席からは「ありがとう」という声もかけられた。


Trident
いよいよフェスも終盤のタイミングで登場したのは、フライングドッグが設立してからデビューしたユニット・ワルキューレだ。
「いけないボーダーライン」では1コーラス目で美雲ΔJUNNA、2コーラス目でフレイアΔ鈴木みのりがメインボーカルを担当する。2人の歌姫の声の魅力を伝えてから最後に5人の声を重ねると、そこからTVアニメ『マクロスΔ』のOPテーマ「一度だけの恋なら」にバトンタッチ。カナメΔ安野希世乃、レイナΔ東山奈央、マキナΔ西田望見もソロパートで個性を発揮した。


ワルキューレ
MCでは、西田のソロデビューが決定したことを発表し、最後は「ワルキューレがとまらない」へ。役になり切るだけでなく、リアルにライブをしている5人の個性もミックスして自由なパフォーマンスで観客を楽しませた。

「犬フェス」のトリを飾った坂本真綾は、最新作「逆光」からライブをスタート。難解なメロディながら完璧に自分のものにしてみせ、ロックナンバー「Be mine!」でも会場を興奮させる。
MCでは「何ものでもない自分は育て守られて、気がつけば20年経っていました。最近になってやっと、育ててくれた方々に恩返しができるようになってきたのかな?と、ジリジリと出番を待っていました(笑)」と語りつつ、菅野について「もう一度ここに呼んで一緒にやるつもりだった」「最後の曲にそういうパートはなかったけど、フェスに来た皆さんと一緒に歌えたらいいなということで、一生懸命(アレンジを)考えてくれました」と触れ最後の曲「プラチナ」へ。


坂本真綾
曲終盤の「見つけたいな」「叶えたいな」というフレーズでコール&レスポンスを繰り広げ、歌の中で「また会おうね」と約束をして歌唱を終えた。

全30曲が披露され、さまざまなサプライズも起こった「犬フェス!」だったが、秋には「犬フェス2!」が開催されることも判明した。
JUNNA、鈴木みのり、東山奈央、西田望見、沼倉愛美、安野希世乃、Rhodanthe*らの出演が決定しているとのことで、未来を担っていくようなアーティストのパフォーマンスに期待の次回開催となりそうだ。

「フライングドッグ10周年記念LIVE-犬フェス!-」
日時:2019年2月2日(土)開場14:30 開演16:00
会場:武蔵野の森 総合スポーツプラザ メインアリーナ
出演アーティスト:AKINO with bless4、新居昭乃、ALI PROJECT、石川智晶、梶浦由記/FictionJunction YUUKA、菅野よう子、坂本真綾、中島愛、ナノ、May’n、ワルキューレ

《仲瀬 コウタロウ》

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