劇場版「Fate [HF]」第1章のストーリー忘れてない? 第2章を見る前に復習しておきたい5つのポイント | アニメ!アニメ!

劇場版「Fate [HF]」第1章のストーリー忘れてない? 第2章を見る前に復習しておきたい5つのポイント

『Fate/stay night [Heaven's Feel]II.lost butterfly』が1月12日から全国上映された。同作は、TYPE-MOONが展開する伝奇活劇ビジュアルノベルゲーム『Fate/stay night』における最終ルートHeaven's Feel(HF)を3部作で描く劇場版シリーズ第2章だ。

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劇場版『「Fate/stay night [Heaven's Feel]」II.lost butterfly』(C)TYPE-MOON・ufotable・FSNPC
劇場版『「Fate/stay night [Heaven's Feel]」II.lost butterfly』(C)TYPE-MOON・ufotable・FSNPC 全 10 枚 拡大写真
『Fate/stay night [Heaven's Feel]II.lost butterfly』が1月12日から全国上映された。同作は、TYPE-MOONが展開する伝奇活劇ビジュアルノベルゲーム『Fate/stay night』における最終ルートHeaven's Feel(HF)を3部作で描く劇場版シリーズ第2章だ。

劇場版「Fate/stay night [Heaven's Feel]」II.lost butterfly キービジュアル (C)TYPE-MOON・ufotable・FSNPC
本作では、手にした者の願いを叶えるという万能の願望機「聖杯」をめぐり、7人の魔術師(マスター)と7騎の英霊(サーヴァント)が繰り広げる聖杯戦争において、3人のヒロインの内、間桐桜に焦点が当てられている。
これまで正義の味方を目指して来た主人公・士郎が、愛する女性が悪となった時にどのような決断をするのか。

アニメーション制作は、2014年にTVシリーズ『Fate/stay night [Unlimited Blade Works]』を手掛けたufotable、キャラクターデザイン・作画監督は数々のTYPE-MOON作品のアニメ化を手掛けてきた須藤友徳が監督を務める。
2017年に公開された第1章「I.presage flower」は98万人を動員、興行収入も15億円を記録した。これから第2章を観る人に向けて第1章を振り返りながら、『Fate』シリーズ原作を通して補足しつつ、より楽しんでもらえるように見所を伝えたい。

■『Fate』シリーズ全体における「Heaven's Feel」の位置づけ



劇場版『「Fate/stay night [Heaven's Feel]」II.lost butterfly』(C)TYPE-MOON・ufotable・FSNPC
まず劇場版の原作である『Fate/stay night』は、架空の都市・冬木市を舞台に、魔術師(マスター)が歴史上の偉人や伝説上の存在、神霊といった英霊(サーヴァント)を従え、願望機「聖杯」をめぐり戦う「聖杯戦争」を描いた作品だ。
魔術師によって召喚された7騎サーヴァントには、セイバー、アーチャー、ランサー、ライダー、キャスター、アサシン、バーサーカーの7つの役割が与えられ、それぞれが強力な宝具を持つ。

遠坂・間桐・アインツベルンの御三家によって生み出された「聖杯戦争」は今回で5度目の開催となる。
10年前の第四次聖杯戦争によって起こった大火災で、孤児となった主人公の衛宮士郎は救ってくれた魔術師・衛宮切嗣の養子となった。

切嗣に憧れて正義の味方を目指すようになった士郎。切嗣の死後も人助けに労を惜しまない日々を送る中で、1学年下の間桐桜と出会うことで穏やかな日常を得る。
しかし、第五次聖杯戦争に巻き込まれる形でセイバーと契約し、10年前に冬木市で起きた大火災の原因が聖杯戦争にあったと知り、街の人々を守るために参戦を決めた。

原作には3つのルートがある。滅亡した祖国を救うため、“王の選定”のやり直しを聖杯に望むセイバーの救いを描いた「Fate」(セイバールート)、アーチャーの正体が明らかとなり、士郎自らがサーヴァントと戦う熱い展開が繰り広げられる「Unlimited Blade Works」(遠坂凛ルート)、聖杯の謎や聖杯戦争が生まれた背景など核心に迫る「Heaven's Feel」(間桐桜ルート)だ。

劇場版『Fate/stay night [Heaven’s Feel]II.lost butterfly』キービジュアル(C)TYPE-MOON・ufotable・FSNPC
間桐桜ルートをアニメ化した劇場版『Heaven's Feel』について、原作を手がけた奈須きのこ氏は「気持ちのいい剣戟伝奇の後に待っていたのは人と人の、男と女の話でした」「泥のような闇の中にも、救いは確かに」とコメントを寄せている。
劇中では大火災を生き延びた罪悪感から正義の味方になるために自身をも蔑ろにする士郎が、愛した桜を守るためにどのような選択をするかが物語の核だ。これまでの2ルートと比べて非常に重苦しいテーマを扱っている。

■間桐桜という女性



劇場版『「Fate/stay night [Heaven's Feel]」II.lost butterfly』 場面写真(C)TYPE-MOON・ufotable・FSNPC
第1章では桜の生い立ちや御三家のルーツなとの説明は省略されているので、この項で補足したい。
士郎の1学年下の後輩である桜は、御三家の1つ間桐家に養子としてやって来た。実は同じ御三家の遠坂家の出身であり、遠坂凛の妹に当たる。

元来、冬木市の管理者であった遠坂家を除いて、間桐もアインツベルンも外国に本拠地を構えていた。聖杯戦争の度に冬木市にやって来るアインツベルンとは違い、間桐は冬木市に本拠地を移した魔術師の家系だ。
しかし、冬木市の土地と水が合わなかったため、代を重ねるごとに魔術回路の数や質が落ちてしまい、士郎の学友である間桐慎二の代にはとうとう魔術回路を失ってしまった。

一方、遠坂に生まれた凜と桜は、歴代の中でも飛び抜けた魔術の素養を持っていた。凜は通常は1つの魔法属性しか持ち合わせない魔術師にあって、5つの属性全てを持った「五大元素使い(アベレージ・ワン)」、桜は「架空元素・虚数」という極めて珍しい属性だ。
しかし、魔術回路を子に受け継がせていく魔術師の家系では、どちらかしか後継ぎになれないため、桜の才能を惜しんだ遠坂家と優秀な魔術師の後継ぎを欲した間桐家の利害が一致し、桜は養子に出されることになった。

劇場版『「Fate/stay night [Heaven's Feel]」II.lost butterfly』 場面写真(C)TYPE-MOON・ufotable・FSNPC
「虚数」属性を持つ桜に対して間桐家の属性は「水」であるため、桜は当主・間桐臓硯から苦痛を伴う体質改変を受け続け、義理の兄である慎二からは劣等感からくる嫉妬のために虐待されて育った。
そのため、士郎と初めて会った時の桜の瞳に光はなく、表情も虚ろで、生きる喜びをどこにも見いだせていなかった。

■士郎と桜の出会い



劇場版『「Fate/stay night [Heaven's Feel]」II.lost butterfly』 場面写真(C)TYPE-MOON・ufotable・FSNPC
第1章の冒頭のシーン、誰も居ない家の鍵を開けて「ただいま」という士郎と、肩を負傷した士郎の世話をするためにやってきた桜の虚ろな瞳が印象的だ。

直向きな士郎に惹かれていた桜は、その日から毎日士郎の家にやって来て、料理や洗濯の家事のいろはを士郎から教わりながら身の回りの世話をする。
予想外に頑固な年下の少女に負けて合い鍵を渡す士郎。肩のケガが治ってもその生活は変わらなかった。
月日の経過とともに二人の関係性は深まり、「ただいま」「お帰りなさい、先輩」というやり取りが対比として描かれている。

桜の目に輝きが灯り、高校に入学した桜は士郎も見違えるほど表情豊かな女性になっていた。だからこそ、毎日朝夕と通う桜の言葉から壮絶な背景を垣間見ることができる。
「先輩のうちじゃないと、ご飯美味しく頂けなくなっちゃったんですから」という言葉からは、他ルートでは聖杯戦争に巻き込まれないように桜を遠ざけた士郎の配慮が逆に彼女を苦しめていたのだと気付かされる。

劇場版「『Fate/stay night [Heaven's Feel]』II.lost butterfly」特報第1弾カット(C)TYPE-MOON・ufotable・FSNPC
しかし、桜にとっての平穏は聖杯戦争の始まりによって崩れ去った。10年前の大火災による死傷者500人、焼け落ちた建物134棟。
生き残りである士郎は、同じことが繰り返されないために聖杯戦争に参加する。何故なら、正義の味方を目指して来たから。劇中では切嗣の「誰かの味方をするということは誰かの味方をしないことなんだ」が士郎に重くのし掛かる。

桜に「私が悪い人になったら許せませんか?」と問われた士郎は、「桜が悪いことをしたら怒る。誰よりも叱る」と答えた。「良かった。先輩にならいいです」と笑った桜は、原因不明の体調不良に苦しめられながら、自分の身体の中の危うい変化を感じ取っていた。第2章では桜の状態はより悪くなっていくのでは?と推測できる。

■従来の聖杯戦争とは明らかに違う。黒い影の正体は第2章で明らかになるのか?


第1章では、龍造寺のアサシンを触媒に現界した真アサシンによって、第5次聖杯戦争は混乱に陥った。急襲でマスターを人質に取られたキャスターはあっさり破れ、全クラス中で戦闘能力が高いセイバーやアーチャーとも互角に渡り合うランサーも真っ向勝負で敗れた。

聖杯戦争の監督役を務める言峰綺礼は「アサシンは気配遮断スキルに頼るところが大きく、自身の戦闘能力は高くないはずだが……」と訝しみ、凜は「今回の聖杯戦争は何かが違う」と士郎との共闘を申し込んだ。

劇場版『「Fate/stay night [Heaven's Feel]」II.lost butterfly』1週目来場者特典絵柄(C)TYPE-MOON・ufotable・FSNPC
謎は深まるばかりだ。深夜に徘徊する謎の人物が桜と同じ虚数魔術を使っていたこと、第一章の最後に黒い影に飲み込まれたセイバーもこのままで済むはずがない。

■第1期で登場したものの、出番が少なかった者たちの活躍はどうなる?


劇場版『「Fate/stay night [Heaven's Feel]」II.lost butterfly』 場面写真(C)TYPE-MOON・ufotable・FSNPC
そして、第1章ではあっさり敗北して姿を消したライダー、「面白い。良くないものに魅入られているな」と声をかけたギルガメッシュ、士郎を「お兄ちゃん」と呼ぶアインツベルンの魔術師イリヤの思惑も気になる。
士郎はセイバーを失って聖杯戦争から脱落したが、まだ何一つ解決していないのだから。監督役の言峰綺礼とて、麻婆豆腐を食べるだけが見せ場じゃないはず。

■まとめ



劇場版『Fate/stay night [Heaven’s Feel]II.lost butterfly』場面カット(C)TYPE-MOON・ufotable・FSNPC
劇中で遠坂凛を演じる声優の植田佳奈が第2章について、「12日からの公開は、『心して』見に来てください。じゃないと、心も体もぜんぶ持っていかれます」とコメントを寄せている。

間桐桜ルートはファンの間でも「鬱展開」として称されるエピソードだが、劇場版第2章は3部作の中でも運命の分岐点である最重要エピソードが描かれるので見逃せない。

(C)TYPE-MOON・ufotable・FSNPC

《乃木章》

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