写真を撮るだけでなくコスプレには創作劇がある!世界を魅せる中国代表が語る“コスプレショー”の世界 | アニメ!アニメ!

写真を撮るだけでなくコスプレには創作劇がある!世界を魅せる中国代表が語る“コスプレショー”の世界

舞台上でアニメやゲームのキャラクターに扮した男性や女性が躍動。踊りや殺陣などのパフォーマンスで作品の世界観を観客に伝える姿は、従来のコスプレに対するイメージを覆すだろう。

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写真を撮るだけでなくコスプレには創作劇がある!世界を魅せる中国代表が語る“コスプレショー”の世界
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舞台上でアニメやゲームのキャラクターに扮した男性や女性が躍動。踊りや殺陣などのパフォーマンスで作品の世界観を観客に伝える姿は、従来のコスプレに対するイメージを覆すだろう。

イベントなどで、男性や女性が立っているのをカメラマンが撮影する、または、SNSで見るスタジオなどで撮影した作品写真とは違い、舞台上で見せる無料のコスプレショーもコスプレのもう一つの側面だ。

日本の名古屋で年1回夏に開催される「世界コスプレサミット(WCS)」では、世界各国の代表コスプレイヤーが舞台上でパフォーマンスを行い、グランドチャンピオンを決定している。2017年の優勝国である中国では、コスプレショーがコスプレ黎明期よりオタクイベントの中心として発展してきた背景がある。

7月28日から8月5日まで開催された「世界コスプレサミット2018」に出場した中国代表の電球(DENG PAO)さんと果果(GUO GUO)さんにコスプレパフォーマンスの世界を訊いた。

左から果果さん、電球さん

中国でWCSの予選大会が24箇所で行われ、最終予選に進んだ24組の中から代表を決める


ーーまずは自己紹介をお願いします。

電球
私は電球と言います。私たちは四川省の重慶市(世界最大の都市と言われる)から来ました。コスプレパフォーマンスは約6年間やってきました。舞台とダンスが大好きで、将来はコスプレまたは舞台関連の仕事をしたいと思っています。

果果
私は果果と言います。コスプレパフォーマンスは約5年間やって来ました。私はメイクしたり、絵を描いたりするのが得意です。

ーー2人がコスプレを最初に始めたのは?

電球
私は8~9年前です。最初にしたコスプレは初音ミクでした。アニメやゲームが大好きだったのでずっとコスプレしたい思いはありました。

果果
私は5年前からですね。私が最初にしたコスプレも初音ミクでした。コスプレを始めたきっかけは、電球と2人で動慢展に遊びに行くとなった時に「せっかくだからコスプレしようよ」と誘われたからです。

ーー中国ではいつ頃からコスプレを始めることが多いんですか?

電球
中国は勉学に非常に力を入れているので、中学高校は進学のために勉強一筋で遊ぶ時間はほとんどありません。大学入ると自由な時間が増えるので、そのタイミングでコスプレを始める人が多くいます。

ーーWCSに出場しようとした理由は何ですか?

電球
世界中のコスプレイヤーと交流したかったからです。他の国のコスプレイヤーは私たちとは全然違うので、どんなコスプレをしているのかを知り、学ぶ必要があります。今回はあまり時間がなかったので全部は見られていませんが台湾が気になっていますね。

果果
私の場合は彼女が参加したいと言ったからです。今年で大学を卒業(中国は7月に卒業する)して就職したら、今までみたいにコスプレショーに参加するのは難しくなるので、一緒に大きな大会に参加するのはずっと願っていたことでした。

ーー中国では代表を決めるまでに1年でどれくらい大会があるんですか?

電球
最終予選前の大会は各エリア24箇所で開催されました。一つの大会につき10~15組は参加者がいたので、全体で600人くらいが参加していると思います。

中国ではコスプレショーが盛ん。舞台上で表現する喜びが大きい




ーー中国とほかの国のコスプレの違いは何でしょうか?

電球
他の国のコスプレイヤーと比べての違いは、コスプレショーが盛んなことだと思います。中国ではコスプレイヤーは創作劇派(舞台党)と写真撮影派(平面党)に別れていて、全体的に見れば平面党が多いのですが、本気でコスプレをやる人は舞台党を選びます。コスプレショーの団体も国内には多くあります。

果果
国ごとに大きな違いがあると思いますが、大きく括るとアジアと欧州で重要視しているところが違うのかもしれません。欧州は衣装製作を重視していますし、アジアはパフォーマンス(表現)を重視していると思います。
中国と日本で比べても、日本だと撮影がメインだと聞きますが、中国ではそれぞれのキャラクターの物語を考えて舞台で演じる創作劇がメインです。

ーー2人もコスプレにおいて舞台への思い入れは相当強いですか?

電球
私たちがコスプレするにあたって重視しているのは舞台上での表現です。舞台は私たちと観客が交流する場所です。自分が創作の台本を書いたにしても、原作通りに再現するにしても、観客に理解してもらえる表現をしなければいけないですから。

これまで多くのコスプレショーに出演してきましたが、コスプレをして舞台で表現して観客を感動させることができる喜びはとても大きいです。

果果
私たちは付き合いが長いのですが、毎回のコスプレパフォーマンスでは、彼女が書いた台本には私たちの感情や思いが込められていて、その都度の表現には私たちの情緒が現れています。自分の感情をパフォーマンスとして観客に伝えられた瞬間は嬉しいです。

2人から見た日本のコスプレ




ーーWCS決勝でのパフォーマンスの内容を教えてください

電球
私たちが演じる作品は創作によるパフォーマンスです。

果果
電球が演じるキャラは私の事を愛していて傍に置いておきたいんですけど、私が演じるキャラは自由に生きたいものだから、最後は私に悲劇が訪れます。

ーー2人は初めての来日だと聞きました。日本のコスプレをどのように見ていますか?

電球
私は日本のコスプレイベントのことはあまり知りません。ただ、コスプレとくくれないかもしれませんが、アニメなどのミュージカルを見ていて、レベルが高くて素敵だなと思います。

果果
コミックマーケットなども、私たちが舞台党ですからあまり意識してきませんでした。日本でももっとコスプレショーも開催するイベントがあればいいなとは思っています。
◆◆
初めてのコスプレパフォーマンスをメインとして活動するコスプレイヤーへのインタビュー。いかに舞台上で最高の演技をするかが全てだと語る2人にとって、興味のあるイベントも撮影メインのコスプレイヤーとは大きく違っていた。
近年は、中国から日本のコスプレイベントに参加する人気コスプレイヤーも増えたが、舞台党と呼ばれるパフォーマンスに優れた人たちはまだまだ知られていない。中国は広い。

画像提供:電球、果果
取材協力:寒黙(@nigellizhe)

《日本コスプレ通信》

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