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映画「銀魂」福田雄一監督インタビュー “アニメっぽさ”を取り入れて銀魂ワールドを構築

7月14日から映画『銀魂』の劇場ロードショーが始まる。原作は空知英秋による漫画。2003年から「週刊少年ジャンプ」にて連載を開始し、今なお誌上の第一線を走る人気作品だ。

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映画「銀魂」福田雄一監督インタビュー “アニメっぽさ”を取り入れて銀魂ワールドを構築
映画「銀魂」福田雄一監督インタビュー “アニメっぽさ”を取り入れて銀魂ワールドを構築 全 6 枚 拡大写真
7月14日から映画『銀魂』の劇場ロードショーが始まる。原作は空知英秋による漫画。2003年から「週刊少年ジャンプ」にて連載を開始し、今なお誌上の第一線を走る人気作品だ。その世界観は独特なもので、江戸末期を舞台にしながら、街には高層ビルが立ち並び宇宙人が歩いている。万事屋を営む主人公・坂田銀時を始めとした個性豊かすぎるキャラクターたちが所狭しと暴れまわり、テンポよく繰り出されるギャグやパロディ。なのに時々、ホロッとしてしまうエピソードが織り交ぜられ、人情味あふれる物語が多くのファンを魅了し続けている。

本作のメガホンを取ったのは福田雄一。放送作家として数々のバラエティ番組を担当し、深夜ドラマ『勇者ヨシヒコ』シリーズの監督・脚本・演出を務めたことで一躍注目を浴びる。『HK 変態仮面』(2013年)や『アオイホノオ』(2014年)など、漫画原作の実写化の信頼も厚い。
今回の制作に至ったいきさつを起点に、映画『銀魂』の見どころを監督本人に語っていただいた。お話しいただく中で、福田監督の漫画の実写化における思いも、うかがい知ることができた。

映画『銀魂』
2017年7月14日(金)全国ロードショー
wwws.warnerbros.co.jp/gintama-film/

■いかに『ヨシヒコ』を撮るのと同じくらいふざけられるか

――そもそも福田監督のもとに『銀魂』の話が届くまでには、どのような経緯があったのでしょうか?

福田
いつだったか僕の長男から、「パパなら実写化できるんじゃないか? ってネットで言われてるよ」と教えられたんですよ。僕は普段まったくネットを見ないんですが、どうやら『勇者ヨシヒコ』シリーズを見てくれた視聴者がそう言ってくれたみたいなんです。その頃の僕は『銀魂』のことを知らなくて、むしろ僕の『ヨシヒコ』が別の作品に似ていると言われる状況にちょっとムカついたくらいでした(笑)。
でも『銀魂』のことはずっと頭に残っていて、ある日、松橋真三プロデューサーから「映画をやりたいんですが、何か企画はありませんか?」と聞かれたんです。相手はワーナー・ブラザーズですから、「これは下手なことは言えないぞ……!」と必死に考えた時に、ふと息子に言われたことを思い出して。そこでタイトルを出したのが今回の始まりでした。

――実際に原作を読んでみていかがでしたか?

福田
初めは似ていると言われることに反感がありましたけど、作品を読んでみたら認めざるを得ませんでした。とてもよくできた漫画だったし、何より合点がいったのは、空知英秋先生と僕のギャグの方向性が似ているということ。なるほど、ここで認めなかったら大人じゃないなぁ、と。


――制作にあたって、どんな映画を作ろうと考えられましたか?

福田
まず、いわゆる「俺なりの『銀魂』を作るぞ」という思いは一切ありませんでした。それは原作愛が無いという意味ではなくて、要するに好きだからこそ漫画の面白さを存分に実写化したいんです。
僕自身、脚本を書く時にはすっかり一人の『銀魂』ファンになっていて、そうなるとファンとして何を考えるかというと、いかに実写で忠実に漫画を再現するかということでしかないんですよね。ただ、皆さんも作品に入れ込んでしまうがゆえに「ここをこうしたらもっと良くなるはず」と思うことってありませんか?(笑) 僕も『銀魂』ファンとしてそんなふうに思うことがあったので、その要素を映画に入れていったという感じですね。

――ファンと同じ目線だからこそ、これほどの再現度を追求できるというわけですね。

福田
そうですね。大人気の漫画だしワーナー・ブラザース製作の大作映画だからと遠慮はしないで、あくまで『銀魂』が大好きだという観点に立って思いつくことを採用しました。この作り方ができたのは、空知先生が『ヨシヒコ』と『アオイホノオ』を気に入ってくれたからというのもあります。元は「連載が続いている間はあまり気のりしない」と言っていた空知先生が、僕の作品を見た上で実写化を許してくれたからには、『ヨシヒコ』や『アオイホノオ』を撮る時と同じ感覚で臨まないと空知先生を裏切ることになります。大作だからちゃんとしなきゃいけないんだけど、いかに『ヨシヒコ』を撮るのと同じくらいふざけられるのか。こだわりと言うには違うのかもしれませんが、これこそが自分に課された使命だと思いました。
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《奥村ひとみ》

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