劇場版「モンスト」金子志津枝インタビュー 総作画監督がこだわった"豊かな表情"とは | アニメ!アニメ!

劇場版「モンスト」金子志津枝インタビュー 総作画監督がこだわった"豊かな表情"とは

「モンスターストライク」(通称、モンスト)とは、2013年10月にリリースされスマホ用ゲームアプリである。簡単な操作で爽快なアクションが楽しめる「ひっぱりハンティングRPG」として人気を博しており、世界累計利用者数は3,500万人を超えている。

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劇場版「モンスト」金子志津枝インタビュー 総作画監督がこだわった
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「モンスターストライク」(通称、モンスト)とは、2013年10月にリリースされスマホ用ゲームアプリである。簡単な操作で爽快なアクションが楽しめる「ひっぱりハンティングRPG」として人気を博しており、世界累計利用者数は3,500万人を超えている。2015年10月にアニメ版 「モンスターストライク」(通称、モンストアニメ)の配信をYouTubeにて開始すると、2016年8月27日には世界累計再生回数1億回を突破した。
12月10日(土)、満を持して公開された劇場版『モンスターストライク THE MOVIE はじまりの場所へ』は、初日、二日目と満席になる劇場が続出し、二日間で興行収入約4.4億円、約40万人を動員。同時期公開の大作映画がひしめくなか動員人数において初登場第一位を獲得する大ヒットスタートを切り、改めて「モンスト」人気の高さを見せつけた。

劇場版「モンスト」は、YouTube版アニメの主人公・焔レンとその仲間達の、小学4年生時代を描く。互いの絆を信じつつ「モンスト」で戦う少年少女の姿を通じ、「友情とは本気で相手に感情をぶつけること」という熱いメッセージを発信している。SNSでは絶賛のコメントが多数寄せられ、鑑賞後の満足度も高く映画レビューサイトでも軒並み高得点を叩きだしている。

この度、本作のキャラクターデザイン・総作画監督を務めた金子志津枝氏にインタビューを敢行。『ドラえもん』シリーズの作画監督を長年担当するなど、日本のアニメ映画界に欠かせない金子氏に、作画面を中心に本作の見どころを訊いた。


――本作に関わるようになった経緯を教えてください。

金子志津枝(以下、金子)
江崎(慎平)監督からオファーがあり「私に合っている作品じゃないか」と思っていただいた様です。江崎監督とは、以前「アニメミライ」というプロジェクトで古田足日さんの原作『大きい1年生と小さな2年生』(14)という作品で一緒に仕事をした事がありました。私がキャラクターデザインを担当し、江崎監督が演出を務めていて。江崎監督は真摯に仕事を頑張る方で、その心意気に乗っかる気持ちでオファーを引き受ける事にしました。

――制作の打ち合わせで江崎監督からのオーダーはどのようなものでしたか? またキャラクターデザインで意識された点はございますか?

金子
「基本的にはお任せします!」という感じで依頼されていて、やりやすいように作業させていただきました。基本的なところでは大きな指示はなかったですね。キャラクターデザインでは、顔の表情がわりとワンパターンになりがちなので、なるべく“表情豊かに描きたいな”と意識して作業していきました。ただ監督からの大まかなイメージがあるので、そのイメージを膨らませながら描いていきました。


――金子さんは『ドラえもん』シリーズの作画監督を長年務められています。「子どもが楽
しめる作品をつくる」「子どもたちの日常を描く」といった点で、そこで培われたものが本作で活かされていたら教えてください。

金子
長年そういった作品に携わる事が出来たおかげで、“子ども目線”を意識しながら仕事できているかもしれません。あまりプライベートで仕事を考えたくない(笑)と思っているのですが、姪っ子・甥っ子といった子供たちと遊んだり、兄がNPOに携わっている関係でLD(学習障害)の子供たちと交流する機会があって。そこで“子供たちの感性”を拾ったりしているんですかね(笑)。あとは子供たちの姿が収められた昔の写真集や本を参考にしています。日常や普通の生きる背景を知らないと深く作画出来ないのかなと。私は見て描くデッサンが苦手なので、自分ではあまり写真を撮らずに生活の中で見たり聞いたりしたことを脳内変換しながら膨らませて絵を描いていく感じでしょうか。

――日常シーンでの細やかな芝居付けが印象的でしたが、作画面で意識されたことは?

金子
“言葉を知らないと気持ちが伝えられない”という事と一緒で、“表情をなるべく豊かにしてあげないと観ているお客様に伝わらない”ので、その部分はすごく意識しました。2D作品なので、3Dのように立体的に見てもらえるかがポイントですかね(笑)。あと、各パートの作画監督さんにもそういう部分もとても助けていただけました。


――作品をご覧になってうまくいったと実感している部分はどこでしょうか。また本作の見どころ、注目ポイントはいかがでしょう。

金子
貧乏性だから、中々満足できないという性なのですが(笑)。アニメーター目線になってしまうのですが、ドラゴンの背にもたれかかりながらレンが一人で独白するシーンとか、しゃぼん玉が飛び交う中5歳のレンが父親に「置いてかないで」と語りかけるシーンとか…、演出的にも重要なところですから、スタッフのお力も借りて力を入れたので注目して頂けたらと思います。
――最後に、アニメ!アニメ!読者にメッセージをお願いします 。

金子
おかわりしても良い作品ですよ!(笑)

――ありがとうございました!


『モンスターストライク THE MOVIE はじまりの場所へ』
12月10日(土) 新宿ピカデリー他 全国ロードショー
配給:ワーナー・ブラザース映画
(C)mixi,Inc. All rights reserved.

《animeanime》

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