「この世界の片隅に」初日、6年以上費やした片渕監督「ようやく皆さんにお届けできました」と感無量 | アニメ!アニメ!

「この世界の片隅に」初日、6年以上費やした片渕監督「ようやく皆さんにお届けできました」と感無量

2016年11月12日(土)、都内のテアトル新宿にて、映画『この世界の片隅に』の初日舞台挨拶が開催された。

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「この世界の片隅に」初日、6年以上費やした片渕監督「ようやく皆さんにお届けできました」と感無量
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2016年11月12日(土)、都内のテアトル新宿にて、映画『この世界の片隅に』の初日舞台挨拶が開催された。『この世界の片隅に』は、双葉社から刊行されているコミック『この世界の片隅に』(こうの史代)が原作。軍港の街・呉へと嫁いだ主人公・すずを中心に、戦時中の暮らしを描いた本作品は、最初4人で始めたにも関わらず、クラウドファンディングサイト「Makuake」で3374人ものサポーター、3622万4000円もの資金を集め、映画化実現に至った。

壇上には、本作の音楽を手掛けているコトリンゴ、すず役の声優・のん、監督の片淵須直が登場。映画館には多くの観客が訪れており、朝早いにもかかわらず満席となっていた。挨拶のあとは、早速作品についてのトークが繰り広げられた。
印象の残っているシーンや好きなシーンを問われると、のんは「すずの、生活をすることを楽しんでいる姿が印象的で、節約するためにリサーチしたり、着物をリサイクルしたりと一生懸命なのが素敵だと感じました」と話した。また、「自分には生活の才能がない」と自身について暴露。場内に爆笑が巻き起こった。しかしすずを演じたことで、料理や洗濯の楽しさが分かるようになったと嬉しそうに話していた。
続いてコトリンゴも、「料理やモンペなど、すずが何かを作るシーンが好きです」「すずが描いたうさぎの絵が飛ぶシーンがあるのですが、それを見た時は感動しました」と、すずの生活を楽しむ姿に癒されたと語った。そして監督は、「明るいシーンではないですが、すずが気を失って真っ暗闇になり、火花が散るとシーンが好きです」と述べ、「原作では、鉛筆で描いたり、口紅で描いたり、左手で描いたりと様々な書き方をしているので、映画でもいろいろな書き方にチャレンジしたいと思い、カナダのアニメーション作家・ノーラン・マクラレンのオマージュをやりました」と、表現方法にも工夫を凝らしていると説明した。
その後、作画監督が「自分たちの想像通りの声が入っている。こんな恵まれた声の入り方はなかなかない」と絶賛していたことも明かされた。イベントは、キャストのほのぼのとしたトークで客席からは笑い声が絶えず、終始和やかな雰囲気となっていた。

最後は、一言ずつ挨拶。「素晴らしい作品なので、ぜひみんなに何度でも観てほしいです」と口々に語り、監督が「6年以上かかったこの作品をようやく皆様にお届けできました。でもここからが始まりです。すずさんはもう皆さんのものです。ぜひ会いに来てください!」と締めて、本イベントは終了となった。

《月乃雫》

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