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ミュージカル「黒執事」 ダークでスタイリッシュな世界を舞台で堪能

[取材・構成: 高浩美] アニメ×ステージ&ミュージカル談義 第23回 ミュージカル『黒執事』、19世紀末のイギリスの香りが漂うダークでスタイリッシュな世界を舞台で堪能

連載 高浩美のアニメ×ステージ/ミュージカル談義
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(c)2013 枢やな/ミュージカル黒執事プロジェクト
(c)2013 枢やな/ミュージカル黒執事プロジェクト 全 4 枚 拡大写真

■ クオリティ、エンターテインメント性も文句なし、完成度の高いミュージカル、『黒執事』の世界がリアルに!

物語は19世紀末のイギリスが舞台。不可解な無差別殺人事件が頻発、セバスチャン、シエルの2人はビクトリア女王の命により、事件の捜査に乗り出す。
一方、死神派遣協会では、回収されない魂の異常発生が問題化していた。死神ウィリアムは優等生のアランとその相棒エリックに調査を命令するが・・・。

プロローグでセバスチャンとシエルの関係性をわかりやすく提示し、観客を一挙に『黒執事』の世界に。岩崎琢の多彩で変化に富んだ楽曲、陰影のある照明、高さのある劇場を有効に使い、シンプルでモノトーンを基調にしたセットで2次元の世界を“3次元以上”に立体的に見せる。

初演からセバスチャンを演じている松下優也は役に馴染んでおり、余裕が感じられる。シエル役の田中優登は初舞台とは思えない程のはまりっぷりで、“先輩”松下相手に堂々とした“ご主人様”を演じており、俳優としての将来性がうかがえる。
コメディリリーフともいうべき“ダメダメ使用人”の3人組は原作そのまま、観客の笑いを誘う。オカマ死神のグレルは単なる“お笑い担当”を越えて“ショーストッパー”的な役割に。植原卓也は初演からこの役を演じているだけあって“当たり役”と言えよう。
物語の鍵を握るエリック役の良知真次とアラン役の中河内雅貴はシリアスで陰のあるキャラクター。とりわけ2幕の後半、2人のデュエットは哀しみと切なさ、友情を感じる。振付もスタイリッシュで、群舞で場面ごとの空気感を伝える。アクションもこの物語では重要な要素、スピード感あふれる動きで緊迫感を強調、特にセバスチャンとエリックが対立する場面は、必見。
そのほかのキャストもきっちりと“仕事”、萌え台詞もしっかり。俳優、スタッフのコンビネーションの良さで『黒執事』ワールドを構築、息長くシリーズ化して欲しい作品だ。

ミュージカル
『「黒執事」-The Most Beautiful DEATH in -The World-千の魂と堕ちた死神』


東京公演
5月17日~26日
赤坂ACTシアター

大阪公演
6月8日~9日
梅田芸術劇場 メインホール

ミュージカル『黒執事』 公式サイト
/http://www.namashitsuji.jp/
千秋楽、ライブビューイング
/http://www.liveviewing.jp/index.html
映画『黒執事』 公式サイト
/http://www.kuroshitsuji.tv/
『黒執事』テレビアニメ公式サイト
/http://www.kuroshitsuji.tv/
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《animeanime》

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